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製品・IT
軽量チェーンに注目 SCCジャパン
2009年12月21日
冬道を走る上で細心の注意を要するのは、凍結したアイスバーンやブラックバーンだろう。「アイス重視型」スタッドレスタイヤも多く活用されているが、さらに安全に配慮するなら、タイヤチェーンを装着するのが有効だ。
「重い」「装着が面倒」「汚れる」といった一般的なチェーンのイメージを払拭し、機能性と耐久性を備えワイヤーケーブルを使ったチェーンが注目されている。
SCCジャパンは、アメリカに本社を構えるチェーンメーカー、SCCの日本法人。以前は鉄チェーンを作っていたが、現在はケーブルチェーンを主力に展開している。同社が行ったタイヤチェーンの使用実態調査によると、「チェーンに期待すること」のトップは「軽さ」が圧倒的。続いて、「効き目」「装着性」となっている。
青木一雄営業部長によると、「鉄チェーンは雪道からの脱出能力は高いが、重量があるうえに装着が面倒で時間もかかることから、『できれば使いたくない』と話すユーザーも多い」という。
そこで、「安全性は(鉄チェーンと)同等レベルを確保しながら、簡単に装着できて軽量のものを」と製作したのがケーブルチェーンだった。ケーブルチェーンの重量は、大型車用鉄チェーンが1台分(2本1ペア)で36kgに対し、12kgと3分の1程度。装着方法はラッチ式(外側留め)で、装着時間は「鉄チェーンでの作業の約半分、慣れた人なら7分程度」に短縮できるという。
また、同製品は耐久性の高さも特長。主力製品「SR」の芯部分は太めのワイヤーで、その上を細めのワイヤーで巻き、さらにスプリングワイヤーを巻きつける。スプリングワイヤーは5本1組になっており、それが左右自在に動く設計。鉄チェーンは常に同じ部分が路面に接触するため、摩耗して切れやすいが、同社製ケーブルチェーンは接地面が不規則なうえに軽量なので、路面への衝撃が少なく耐久性が高い。クロスのスプリングが往復移動することで横滑りも防ぐ。
「SR」の価格帯を抑えることを念頭に開発された新製品「ハイブリッド」は、主材料のワイヤーに鉄を配合したもの。価格イメージは、11R22.5サイズで「SR」が5万1450円、「ハイブリッド」が3万9900円(夏タイヤ)からとなっている。耐久性は「『SR』に比べて若干落ちるが、『ハイブリッド』も十分高い」。「SR」の特長であった軽量さと装着しやすさは踏襲しているという。
青木部長によると、「最近は降雪の減少jや道路インフラの整備、除雪技術の進歩、またスタッドレスタイヤの性能が向上したことなどで、タイヤチェーンの市場は縮小している」という。しかし、「『チェーンはアイスバーンのような凍結路面や登り坂・下り坂に強い』のが強み。チェーンの使用機会は年に数回でも、危機意識を持って事前準備して欲しい」と冬道走行での安全を訴える。
◎関連リンク→ SCCジャパン -
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