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製品・IT
スカニアジャパン 「稼げる車」をオーダーメイド
2012年2月16日
先の東京トラックショーで話題を集めたスカニアジャパン(東京都港区)。10年4月に設立された同社では、独自の戦略で国内販売を進めていくという。プロダクトサポート課の澤木雅人課長に、今後の販売展開について話を聞いた。
–日本での戦略は。
「シェアを何%取ろう」といった目標は特に持ってはいない。目指すのは、ユーザーが本当に必要な車を提供すること。トラックへの依存率が高い日本のような国だからこそ、意義がある取り組みだと考えている。
–具体的には。
他の国内メーカーと大きく違うのは、スタンダードなモデルがないこと。ホイールベースからタイヤ、エンジン、ギアボックスと、一つひとつ選んでいただく完全なオーダーメイドで、顧客の仕事内容に合わせた車づくりを1からしていく。トラックは乗用車と異なり、嗜好品ではない。そのトラックを使って「儲けることができる」車に仕上げることが重要。
–時間や手間がかかるのか。
「モジュラーシステム」という名称で仕組み化しているため問題ない。求める機能や能力を集めていく組み立て型のパソコン、オーダースーツ、あるいは(おもちゃの)レゴブロックをイメージしてもらえれば良いだろう。納品まで半年程度かかるが、「もっと早く」という要望があれば、それに対応できるよう手段を考える。
–ユーザー側のメリットは。
非常にめずらしい特殊なものを運んでいるようなユーザー向けにも、最適な車を提供できる。また、改造車と異なり、工場から出荷した時点で使い始められるのも大きなポイント。
–スカニア車の特徴は。
ユーザーには「錆びない」という評価をよくいただく。ドライバーの使い勝手では、「キャブが大きくて疲れにくい」、「流体リターダ(補助ブレーキ)が良く効き、フットブレーキでのブレーキの減りが少ない」という声も多い。
–燃費は。
大陸横断的な長距離運行では強みを発揮できる。また、フラットトルクエンジンは、坂道も少しアクセルを踏み増しするだけで進むことができ、評判が良い。
–国産車に比べて「高い」イメージがあるが。
「稼げる車を提供する」という価値に見合うだけの価格はいただくが、適正な市場価格にあった価格にすることはできると考えている。もちろん、売ったらそれで終わりという関係にはせず、アフターセールスにも力を入れていく。販売方針としては、「(売るだけの)ディーラー」ではなく、アフターまで一貫してフォローできる「パートナー」を、全国に増やしていく考えだ。
–エコにも力を入れている。
ワールドワイドで長年、低公害車や石油代替燃料車に取り組んできており、バイオディーゼル、天然・バイオガス、バイオエタノール、いずれにも対応できる。それぞれ長所・短所はあるが、ユーザーの要望に合わせてトータルで提案していきたい。
◎関連リンク→ スカニアジャパン株式会社 -
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