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製品・IT
【バーコードAtoZ7】産業界で広がるダイレクトマーキング
2012年4月19日
8.産業界で広がるダイレクトマーキング
ダイレクトマーキングは、当初、半導体や液晶のようにマーキングスペースが極めて少ない製品に対して行われていたが、近年、生産管理、品質管理、トレーサビリティを高めるために電子部品、プリント基板、手術用具に対しても行われている。また、自動車業界や航空機業界では、大きな部品であるが、トレーサビリティや長期保守管理を実現するために利用されている。航空機業界は、グローバルな部品調達のためにパーツマーキングのガイドラインATA Specification 2000を作成しており、自動車業界も同様の標準化を検討している。
ダイレクトマーキングは、小さく高精度にマーキングする場合はレーザマーキングを使用し、大きく安価にマーキングする場合はドットピンマーキング(打刻マーキング)が利用される。レーザマーキングの原理は、レーザで表面を削り乱反射させて濃淡を描く方法、変色させて濃淡を描く方法、表面のコーティングを飛ばして描く方法がある。したがって、マーキングする材質によってCO2やYAGなどレーザの種類を選択すると供に、レーザ光のスポット径やレーザ照射時間を細かく調整しなければならない。一方、打刻マーキングは、針で表面を叩いて傷をつける方式であるので、セルサイズはレーザマーキングより大きくなるが、レーザマーカより安価である。
ダイレクトマーキングに使用されるシンボルは、マトリックス型のQR CodeとDataMatrixが主に使用されている。DataMatrixは、長方形のシンボルが作成できることがら横長のスペースに印字することができる。金属面のダイレクトマーキングは、鏡面反射が発生し、コントラストも小さいので、安定した読取を行うためには、斜光照明や拡散照明など様々な工夫が必要となる。
レーザーマーキングの例
ドットピンマーキングの例
アイニックス株式会社 http://www.ainix.co.jp/
代表取締役・自動認識コンサルタント
平本 純也
昭和52年3月、武蔵工業大学(現、東京都市大学)、電子通信工学科を卒業。同年、エヴィック株式会社に入社し、バーコード機器等のマーケティングと販売を担当。平成6年3月、バーコードとネットワークを使用により新しい価値を創造することを目的にアイニックス株式会社を設立し、現在に至る。イージーバーコーディング、POT移動時点管理、イーバーコード、RFID監視タグ等の自動認識コンセプトを提案。
<シリーズ>
【バーコードAtoZ1】「流通業界のバーコードの始まり」
【バーコードAtoZ2】「産業界のバーコードの始まり」
【バーコードAtoZ3】「日本のバーコードの始まり」
【バーコードAtoZ4】「新しい役割を担う流通標準バーコード」
【バーコードAtoZ5】「医療業界で普及するGS1-128とGS1 Databar合成シンボル」
【バーコードAtoZ6】「手術器具用バーコードの標準化」 -
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