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製品・IT
岩谷産業 水素ステーションの拡充に注力
2022年8月10日
総合エネルギー事業を展開する岩谷産業(大阪市中央区)は、水素ステーションの拡充に力を入れている。現在は、首都圏、愛知、大阪を中心に54カ所(うち1カ所は建設中)を運営。整備済みのエリアは23都府県となるが、水素バリューチームの横本克巳シニアマネージャーは、「遠方へ行きたいユーザーのために、地方での整備も進めている」とさらなる意欲を燃やしている。
同社では、千葉、大阪、山口の液化水素工場と全国の圧縮水素工場から水素を安定供給している。水素ステーションへ運ばれ貯蔵された水素は82MPaまで昇圧され、ディスペンサーを介して車両に充填される。
水素ステーションには供給能力の高い「バス対応」、標準的なサイズの「中規模」、需要がさほど大きくない地域向けのコンパクトな設計「小規模」、トラックに充填設備を搭載した「移動式」の4種類があり、「都内近辺では中規模のステーションが多い」。
また、関西国際空港と山口県周南市には10年ほど前に燃料電池フォーク用の水素ステーションを整備し、運用を行っている。さらには、セブンーイレブンとの提携で、コンビニ併設の水素ステーションも。同氏は、「当社は設計から施工、検査、ものづくりまで全てをやる『何でも屋』。自社のノウハウを駆使して全国のステーションに対応している」と話す。
同氏が「セルフ化などによるステーション運営費の低減」とともに課題として掲げるのが「トラック向けの対応」だ。「当然、地方へ向けた整備もやっていかなくてはならない」とし、「現状では充填に1台あたり20ー30分かかるので、能力を増強したステーションを作る必要がある」とも。
一方、車両が普及しないとステーションが増やせないというジレンマも。現在、メーカー、運送大手による燃料電池大型トラックの実証実験が始まり、NEDOは「グリーンイノベーション基金事業/スマートモビリティ社会の構築」と称して燃料電池自動車の普及を目指した事業を公募するなど、確実に機運は高まっていることがいえる。
横本氏は「トラックは『これから』という状況。みんなで盛り上げいきたい」とし、「CO2削減を目指す上で、可能性の一つとして期待している」と訴える。
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