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製品・IT
アメリカンテント 災害用テントで安全確保
2017年1月20日
物流倉庫をはじめ、工場、店舗、ドーム施設の屋根など、テントの用途は広がっている。特に、昨年は災害が多発したことから災害用テントが注目され、物流業以外にも多くの産業で貢献している。そんなテント業界で他社より一歩先を行き、企業から信頼を得ているのは、テント全般設計・施工などを行うアメリカンテント(藤島力社長、大阪府東大阪市)だ。新商品の災害用テント「安心くん」は、「地震に最強の味方登場」の言葉通り、避難場所・安心できる場所となる優れものだ。
同社はこれまでに、伸縮型の移動開閉式テント「小次郎くん」、天井が移動する大型テント「武蔵くん」など、さまざまな商品を開発。雨天練習場になる「野球小僧」や五角形の移動式テントなど、ユニークな商品で注目を集めてきた。同社の強みは、幅広い用途にあわせた製品をつくりだしてきた点。もともと小規模店舗用のテントの製作を行っていた藤島社長だが、独自で技術を磨き、テントの大型化に成功。現在では多種多様な企業からの問い合わせが絶えず、導入した企業の口コミで全国に広がっている。
今回、新たにラインナップに加わった「安心くん」は、既製品「進むくん」を進化させたもの。4トントラックで2台運ぶことができ、リフト1台で簡単に組み立て可能。脚が折りたためるので、収納時の安全性がさらに向上する。災害時の緊急避難用に適しており、横幕をつけることでプライバシーの確保もできる。避難用以外に機材の保管用としても最適なテントだ。テント生地は透明のほか、白などさまざまなカラーに対応。
藤島社長は「備蓄倉庫などに置いておけば、いざという時に活躍する。少しでも快適な避難所生活を送ることができるよう、テント会社として一助になれればと思った」と製作の経緯を話す。
テントを広げた大きさは約30坪で幅6.3m、奥行きは最大12m。約60人が収容できる。さらに災害時、道路が寸断されている際は、自衛隊のヘリでも運搬可能だ。柱は鉄製で地震はもちろん、雷や暴風にも強い。
南海トラフ地震や首都直下型地震など、いつ起こるかわからない自然災害。今年4月に発生した熊本地震では、被災者約50人がエコノミークラス症候群を発症し、数人が亡くなった。長引く避難所生活でプライバシーが制限されることに耐えられないと、車中泊を選択した被災者もいたという。真夏・真冬の時期とは異なり、過ごしやすい気温だったため、テントでの生活でも健康上のリスクは少なかったものの、十分な災害テントが提供されていれば、さらにリスクを防ぐことができたかもしれない。
30年培ってきた技術と経験から「安心くん」を完成させた同社。近年では、自主防災組織が防災資機材を購入する際に補助金を交付する自治体も増えている中で、今後、さまざまな場面での活躍が期待できる。
また、「災害時以外にイベントでも使用できる。物流会社の方は、いざという時に貸し出せる形にしていれば、地域住民の方へのPRにもなる。グループ会社で看板専門の会社があるので、自治体名や企業名のロゴを無償で入れることも可能。大型テントは住環境がいい半面、強風の影響も受けやすいと言われているが、『安心くん』は強度も安心。災害時の初期段階に活用いただければ」と、藤島社長は製品に自信を見せる。メーカー希望価格は350万円(税別)。関連商品で小型のテントもラインナップされており、小型タイプは家族単位で使用できる。
ある時は屋外テニスコートでの自動開閉式テント、ある時は透光性を高めたオフィスの屋根として、テントが支持される業種は広く、納入実績も造船会社、運送会社、倉庫、商社、水産会社など多岐にわたる。現在、同社のつくりだす多用途大型テントの需要は高まっている。
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