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製品・IT
センクシア 倉庫向けの耐震補強事業に参入
2017年4月14日
「先駆者」として、「センス」「クオリティ」を追求する。2016年に日立機材から社名変更したセンクシア(東京都江東区)には、そんな思いが込められている。建築基礎工事やマテハンの製造・販売を手がける同社は、このほど倉庫や工場向けの鉄骨造耐震補強事業に参入。新築工事時の「ハイベース工法」で培ったノウハウを生かして開発した、耐震補強技術「スマートフィット工法」について話を聞いた。
柱の耐震補強を行う場合、従来は「RC根巻補強工法」が一般的だったが、「柱の周囲を補強材のコンクリートで固めるため、時間がかかる上に、厚みと高さがかさばるものだった」と開発本部の田中秀宣氏(写真右)は説明する。
対して、同社が開発した「スマートフィット工法」は基礎を増設しないため、工期とコストを削減でき、省スペースで施工できるという。同氏は、「補強材に鋼材を利用することで施工後の柱脚の張り出し寸法が小さく済む」とし、「倉庫の営業活動への影響も最小限にとどめられる」と胸を張る。
同耐震補強チーム営業課長の野崎哲夫氏(同中央)は、「鉄同士をつなぐため、従来のコンクリート補強よりも強度が10倍ほど高まる」と解説。同工法は、日本建築総合試験所の性能証明(GBRC)も取得し、「安全性も折紙付き」と微笑む。
「この工法が誕生したのは、埼玉県熊谷市にある自社工場の耐震化工事がきっかけ」と同氏。昭和36年に建設、同44年に増築された同工場の機能を損なうことなく、低コスト・短期間での耐震化工事を実現した。延べ床面積約1万1000平方mの同工場は、約1年で施工が完了し、「営業活動も止めることなく、従来工法の半分ほどの期間で施工できたのではないか」と笑みを浮かべる。
「スマート=賢明、スリム」に「フィット=取り付け」られることがコンセプトで、「すでに問い合わせも数件きている」と話すのは、同耐震補強チームの原佳佑氏(同左)。同社では、「まずは、関東の倉庫や工場をメーンターゲットとするが、他の地域もその都度相談の上、対応させていただきたい」としている。同氏は、「これまで、耐震診断を行っても、工期やコスト面で補強を断念されていた事業者にも、安心して働ける倉庫にするお手伝いができれば」と熱く語った。
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