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製品・IT
DPFを効率的に洗浄 「DPRアクティブマシーン」
2017年9月1日
トラックのDPFを効率的に洗浄する新たな装置「DPRアクティブマシーン」が誕生した。6月に開催されたオートサービスショーで出品され、整備業界で話題となっている同装置は、DPFの目詰まりの原因であるアッシュ(灰)等を特殊溶剤で分解し、洗浄液とともに洗い流すというもの。車両から外した排ガスユニットを、周辺機器も含めて台の上に載せて、同装置に接続。スイッチを入れると溶剤が流れ込み、洗浄液が循環する仕組み。排ガスユニットを分解する必要がない。
開発を手がけたのは千葉県四街道市で自動車整備を手掛けるエフテック。同社の森孝司社長は、「顧客の切実なニーズだった」と開発の経緯を明かす。「ストップ&ゴーが多い市街地走行などでは、インジェクターやDPFに詰まり等の不具合が起きやすい。また、排ガス規制が年々厳しくなるとともに、DPF装置もどんどん複雑になっており、部品交換などが発生すると非常に大きな負担でトラックユーザーから相談が寄せられていた」。
そこで同社長は、DPFとその周辺機器を簡単に洗浄できる装置の開発に着手。研究を重ね、目詰まりの原因物質を特定し、それらに反応し、効果的に分解する溶液も割り出した。「ハイエースから重トレまで、日本の市場に出ている車両のほぼ全てに使える汎用性を持ち、なおかつ最も経済的であることを念頭に開発を進めた」。
「これだけの装置の研究開発費を地域の整備会社一社で捻出するのは難しい」とし、中小企業向けのさまざまな助成制度も活用。何台かの試作を重ね、同装置は完成した。
販売を手がける安全自動車(東京都港区)の高橋正彦常務(写真右)は、「トラックユーザーが今いちばん頭を悩ませているのがDPFの目詰まり。『なんとか簡単にキレイにできないか』という声は多かった」と話す。「これまでも、詰まりをエアで飛ばすような製品はあったが、アッシュまで除去するのは難しかった」とし、同装置について、「溶液でアッシュを分解するので、こびりついた汚れにも対応できる」と自信を見せる。
岩本健太郎グループ長は、「洗浄時間は大きさや機種によって異なるが、システム側で制御するため、洗浄中に人が付きっきりになる必要がない」と説明。洗浄時間の目安は「中型車で6時間、大型車で8時間。その後に乾燥が必要」。
定価は1台800万円。整備工場向けの製品だが、自社で整備機能を持つ運送事業者にも勧めていくという。「メカニックさえいれば、操作自体は簡単」だという。
◎関連リンク→ 株式会社エフテック
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