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腰痛の最先端の治療法 DST法 日帰りでの治療が可能
2018年9月6日
長時間の運転や荷物の積み下ろしを、日々、繰り返すトラックドライバーにとって、職業病とも言える「腰痛」。痛みをこらえ騙し騙し乗務を続けているドライバーや、痛みを抱えたままトラックを降りた「元ドライバー」の経営者も多い。そんな彼らの悩みに応えうる最先端の腰痛治療法「DST法(ディスクシール治療)」について、ILC国際腰痛クリニック(野中康行院長、大阪市東淀川区)の野田正人事務長に話を聞いた。
DST法はアメリカで研究され、2010年から臨床治療を開始した脊椎疾患に対する新しい治療法。ヘルニアの治療法として有名な「PLDD法(レーザー治療)」などを長年手がけてきた野中院長が、DST法を開発したアメリカの医師と連携を図り、アジアで初めて同法の手術を受けられるクリニックを今年6月に大阪で開院した。
野田事務長は、腰痛のメカニズムについて、「車のタイヤは使っているうちにひび割れが起こり、空気が漏れ、ぺちゃんこになってしまう。結果、車体を擦ったり、ホイールが曲がったり、いろいろな問題が生じる。椎間板に関する症状は、腰でそれが起きている状態」と解説。その上で、「椎間板にクラック(ひび割れ)が入ると、そこから髄核が漏れて炎症や痛みが生じる。『それなら、そのひび割れを閉じたらいいのではないか』という発想で確立されたのがこの治療法」と説明する。
椎間板に造影剤を導入し、ひび割れしている部分に薬剤を注入。髄核の再生力により、椎間板を再生・修復させていく。「タイヤと一緒で、パンクの穴をふさぎ、空気を入れて元通りにしていくイメージ」。実際に、「腰痛持ち」だったという同事務長もこの治療法を受け、「立ったまま靴下を履くことができなかったが、施術翌日から履けるようになった」という。
同法は、椎間板ヘルニアだけでなく、脊柱管狭窄症など、広い範囲の症状に適用可能。「これまでに他の治療法を試したが、症状が改善しなかったという人でも改善の可能性がある」。
針の挿入と局所麻酔のみで治療が済むため、日帰りでの治療が可能。「術後30ー1時間ほど安静にした後、問題が無ければ、そのまま帰れる。傷口もあるかないかわからない程度」。身体への負担が少ないため、「高齢者の治療も可能」だという。
同法は保険適用外で、医療費は全額自己負担。損傷している椎間板の数にもよるが、費用は120万円(税別)から。
同クリニックでは同法を含めて5種類の治療方法を提供しており、「まずは診察を受けていただいた上で、症状や金銭的な面も考慮し治療法を決定する」。
JR新大阪駅からも近く、遠方からの来院も容易。現在は国内のみならず、海外からも申し込みが殺到しているという。
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