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製品・IT
エアロネクスト ドローン改良重ねる、新型「VTOL」
2018年12月5日
ドローンといえば複数のプロペラがついたマルチコプター型を想像するかもしれないが、飛行機型のドローンも存在するのをご存知だろうか。マルチコプターより広い発着スペースを必要とするなどデメリットもあるが、飛行時間・範囲が拡大するなどメリットもある。今回は、搭載荷物が全く揺れず機体負担も軽減される独自技術4G Gravityを搭載し物流にも最適なドローンモデルを開発したエアロネクスト(田路圭輔社長、東京都渋谷区)へ、マルチコプターと飛行機型の両方のメリットを併せ持つ新型ドローンモデル「VTOL」について話を聞いた。
VTOLは離着陸の際はマルチコプターの特性を生かした垂直離着陸を可能とする。そして目的地までの移動時にはマルチコプターと同様の体制だった機体を横転させてプロペラ飛行機と同じ飛行形態を取る。更に、横転時には荷物の位置をエネルギーロスの少ない最適な重心位置へ移動させる。こうしたメカニズムを備えることでVTOLは従来のマルチコプター機以上の移動距離(約100km)と飛行時間(40〜50分)を兼ね備えながらも、飛行機型ではできない小スペースでの離着陸を実現している。ペイロードも2キロを達成した。
更に同機を特徴付けているのは重心の最適化によるピンポイントランディング機能だ。これは着陸予定地へ誤差の無いスムーズな着陸を実現するもので、担当者は「ドローンは着陸時に上昇気流などの影響を受ける。下降時に、こうした風の影響を受けると通常のドローンは位置調整のために機体を傾けプロペラを回転させなければいけない。しかし4G Gravity仕様機と同様、荷物搭載部分を独立させ、更に着陸時に機体の重心を下に落として安定化できるVTOLは、プロペラ部分のみを傾け、荷物積載部分は姿勢をそのままに位置調整を行いながら着陸体制を維持できる」と解説する。同社は今後、不動産業界などとも連携し、都市内部ドローン物流を想定した展開を研究していくという。
他にも田路社長は「我々も生産体制の構築などパートナーシップを結ぶ先は考えているが、同時に市場に詳しい企業とのパートナーシップも考えなければならない。正確かつ最新のマーケット情報を反映させることで、用途に応じ最適化されたモデルを考案していきたい」と話す。今後は機体の更新以外にも自動飛行や荷物の切り離しに代表されるドローン対応ソフトウェアとの連携体制も更新していくとのことだ。
◎関連リンク→ 株式会社エアロネクスト
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