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製品・IT
日本アルマック社長に聞く「これからのリスクマネジメント」
2007年10月11日
企業が抱えるリスクに関する教育やコンサルティング事業を展開する日本アルマック(東京都千代田区)。同社は、定期的に「全国リスクマネジメント研究会セミナー」を開催しているが、8月はテーマとして「運輸安全マネジメント」をクローズアップした。大手から中堅企業まで、多くの物流事業者が参加したという。
今後、運送事業を営む上で「リスクマネジメント」として取り組むべきことは何か。同社社長で、NPO法人日本リスクマネジャー&コンサルタント協会の専務理事も務める浦嶋繁樹氏(写真)に話を聞いた。
同氏は、昨年10月に開始された運輸安全マネジメントについて、「あくまで運行上の安全を確保するもの」とし、「会社経営全体のリスク管理を考える時には、もっと広い視野で考える必要がある」と話す。
「企業経営におけるリスクは五つの分野に分けて考える必要がある」。内訳は、(1)業務(2)施設管理(3)営業(4)人事・労務(5)財務で、運輸安全──は大まかに(1)(3)(4)が該当する。「これらの五つの分野を横断したマネジメント体系を構築した上で、その一環として運輸安全──に取り組むのが本筋」と説明する。
同氏によると、「昨年5月に施行された新会社法により、いずれの企業にもリスクマネジメント体制の構築が義務づけられた」とし、この流れは「自分の会社は自分で守れ、ということ」だという。
運輸安全──が制定されるきっかけともなった鉄道事故などの例に触れ、「起こるべくして起こったとも言える。経営者クラスが危機管理に対する意識を持ち、専任の人材を育成する心構えで取り組む必要がある」。
そして、「(取り組むのに)コストやマンパワーがかかるなど、後ろ向きに捉えてはいけない」とも。「挑戦には危険がつきもの。それをいかにコントロールするかで、良い結果を得られるかどうかが決まる」とし、「何のために取り組むのかを経営トップ自らが理解し、現場の社員にしっかり伝えていく必要がある」。
なお、「これからの会社経営に求められるもの」について、同氏はリスクマネジメントに加え、「コンプライアンス」「正しい情報開示」「自己責任」を挙げる。「利益一辺倒ではもはや通用しない。この四つを守った企業が生き残る」と同氏は言い切る。
同社では「リスクコンサルタント養成講座」を定期的に開催している。基礎課程と上級課程に分かれており、基礎課程はリスクマネジメント概論から体系的に学べるカリキュラム。上級課程は、実務に沿った形で、より実践的な内容を取り入れている。
詳細は同社HP、http://www.almac.co.jp/ -
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