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物流ニュース
新型コロナで中国製品の輸入なく… 配送計画に影響
2020年3月12日
新型コロナウイルス拡散防止のため、安倍総理大臣が全国の小中高校などに休校を要請するなど影響が広がっている。日本だけでなく、世界的にも工場休止や在宅勤務などで、経済が思うように動かない状態。こんな中、今まであまり影響を感じなかったという運送会社でも、中国で部品・材料が製造できず、輸入されないため、配送量が大幅に減少する事態に陥っているようだ。
大阪市住之江区で住宅用木材や水回り用品(風呂・キッチン、トイレ)などを中心に輸送する運送A社では「これまでは忙しく、住宅も多く建設され、さらにドライバー不足も重なってフル稼働で配送を行っていた。しかし、水回り用品の製造は中国に依存していることから、今回のコロナウイルス感染拡大に伴い、日本に輸入されなくなった。そのため、当社でも配送量が減少している」と説明する。
A社社長は「ようやく一部の中国の工場では稼働を再開したと言われているが、製造してから日本に輸入されるまで約1か月は必要であるため、今後も予定されていた現場への商品や部品の配送が行えない。工事が遅れるとともに、我々の配送件数も大幅に減少してしまうため不安だ」と語った。
また、大阪府堺市で建物用の鉄骨を配送する運送B社でも「鉄骨などの柱に関しては日本で製造されているものの、それに付随するボルト・ナットといった部品は中国製を利用している。鉄骨が完成しても、現場で組み立てるためのボルト・ナットが入荷しないため、我々も現場への配送がままならない状況だ。重要な部分は日本製を利用するものの、コスト削減を図るため、細かな部品を中国製に依存しているところは多い。我々運送会社も配送計画が大幅に変更されている」と語る。
中国で製造しているアパレル関係の配送・保管を行う大阪市住之江区の運送C社では「コロナウイルスの関係から現地の工場は閉鎖されたが、ようやく2月末から稼働し出した。しかし、製品は約1か月後に日本に入荷してくるものと思われるため、当社でもパートやアルバイトを休ませる事態に陥っている。本格的に入荷した際、人材を再び集められるのか不安に思うとともに、約2か月間も収入がなくなるので、それに対する負担など大きな損失は避けられない」とため息まじりに話す。
各社とも中国で製造されている商品に関連する配送業務であることから、今回のコロナウイルスは感染拡大への不安だけでなく、経済的な不安も大きいようだ。
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