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物流ニュース
バンダイロジパル 弓野社長が就任「人を育成していく」
2020年5月18日
4月1日付けでバンダイロジパル(東京都葛飾区)、並びにロジパルエクスプレス(同区)の社長に就任した弓野理恵新社長。1963年の設立以来57年の中で、同社初の女性社長の誕生となる。長きに渡って人事や総務など、管理畑を歩んできたという弓野社長は、「人を育成していくということが、私が社長をやる意味でもあるのではないか」とし、バンダイロジパルとロジパルエクスプレスにおける人材づくりに力を注いでいく。
大学卒業後にバンダイに入社、人事、総務、秘書室など、管理部門を歩んだという弓野社長。
その中で、「自分のキャリアを見据えたうえで、何が自分に向いているかを考えたとき、人に対する仕事が好きで、人事関係の仕事を将来もしていきたいと思った」という同社長は、ちょうど同社の管理部門で人材を探していたということもあり、2003年9月に同社に入社する。
入社後、人事・労務に対する専門性を高めるため、国家資格である社会保険労務士の資格も取得した。
入社後は総務・人事から始まり、2014年に管理統括部部長となり、それまでよりも大きな規模の組織を担当するようになった。経理や情報システム、経営企画まで管轄業務の範囲を広げ、昨年4月には業務本部を担当。グループのグローバルSCMの構築をはじめ、より事業に近いところで仕事をするようになったという。
一方、2014年に取締役に就任し、6年間取締役として、馬場範夫前社長(現会長)の下で、経営を学んだ。
「企業にとって人材は何より大切なもの」。総務・人事を経験した同社長には自明の理だが、それを同社で体現していく。
前社長の馬場現会長が校長を務めるロジパルアカデミーもその一つ。同社の次代を担う人材を選抜し研修を行うというもので、ポテンシャルの高い人材を選抜し、GMクラスを育成する上級コースとマネージャークラスを育成する中級コースに分け、それぞれの階級で年に6~7回、研修が行われる。同社長はこれまで、副校長として携わってきたが、4月の社長就任とともに、理事長に就任し、研修を支えていく。
さらに昨年4月には、「ロジパル人事憲章」という同社独自の憲章を制定した。「成長」「チャレンジ」「伝承(教育)」「相互信頼」の4つで構成される同憲章は、「個人の成長が会社の成長につながる」という同社長の言葉、そして同社のめざす社風を表している。
事業に目を向けると、2020年度は中期経営計画の最終年度に当たる。「総体的に目標通りに進んでいる」と話す同社長だが、社長就任初年度である今期、次の中期経営計画を立てるという大きな業務を担う。
また、売り上げに占める外販の割合は3分の1で、まだまだグループの荷物で発生する波動を埋めきれていないという。同社では、アミューズメントや自転車、家具をプラットフォーム事業と位置付けて、事業のプラットフォーム化を目指しているため、外販の拡大は必要不可欠だといえる。ただ、外販の意味合いは以前と比べ、変化している。
「昔は、親会社に収益面で頼らず自立するための外販だったが、物を運ぶ環境が厳しくなった今は、グループ貨物とのシナジー効果として外販を自立させる」としている。一方で、自社の車両や拠点を増やし拡大するとともに、幹線輸送の強化やパートナー企業との連携強化も進めていく。「お客様からお預かりした荷物を最後まで運びきるための体制構築」。同社長のビジョンは明確だ。
「人が成長することが組織、そして会社の成長につながる」とし、「自分で考えて行動する、そんな人材が育っていく会社にしたい」と抱負を述べる同社長は、「私がこのタイミングで社長になったのも、そのためだと思う」と自覚する。
社長に就任して、「ひしひしと責任、そしてプレッシャーも感じている」と本音ものぞかせるが、「気負わずにやっていきたい」と最後は締めた。
◎関連リンク→ 株式会社バンダイロジパル
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