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物流ニュース
イエス,アンド 森川美希社長「今だからこそ安全を」
2020年8月19日
ヒューマンエラーや事故防止を心理面からアプローチした安全コンサルティングを運送事業者向けに提供しているイエス,アンド(福岡市博多区)。森川美希社長は、「コロナ禍の今だからこそ、企業は基礎体力をつけるべき時。コミュニケーションをしっかり取り、社員が安心していられる状態を作ることが大切」と語る。
「緊急事態宣言中、講演は基本的に中止になったが、ウェブでのミーティングを開催することで、支援先の安全活動自体が止まることのないように努めていた」と切り出す同社長。「このような状況の今だからこそ、対話が大事」と強調する。
「ミーティングを行う時は、運送部門、倉庫部門など、なるべく部門を超えて管理者全員に集まっていただく」という。「部署ごとの思いが伝わっていないこともある。そのままではミスにつながりかねないが、集まって話すことで、改善が一気に進むケースも」。
同社長は、「今こそ、ドライバーさんが不安なく働ける環境作りが重要。マスクや消毒液を潤沢に提供したり、点呼場にパーテーションを用意するなど、気持ちの面でも大切」と話す。「ドライバーは、例えるならサッカー選手。良い芝の状態を保ち、空気の入ったボールを提供して初めて良いパフォーマンスができる」と持論を展開。「全部をすぐに改善できなくても、優先順位を決めて、少しずつ良い方向に変えていければ」。
心理面からの安全アプローチが特徴の同社。「例えば輪止めは『ルールだから』と言っても、なかなか『面倒だから』などと定着しづらいが、『なぜ輪止めをしなければならないのか』をきちんと説明すれば、輪止めをするドライバーも増える」。
「『輪止めをし忘れたことによって無人のトラックが動き出し、それを止めようとしてドライバーが最悪の事態になったこともある』と、事例を交えてイメージさせやすくするのも有効。その話がドライバーさん同士で広まれば、輪止めをする人数がだんだんと増えてくる。習慣になれば、『つい輪止めをする』ようになる」と話す。「輪止めをする人が多数派になれば、マイノリティになることを嫌うタイプに響くこともある。ルールを徹底させる方法は、一つではない」。
「ドライバーさんが事故を起こした時にも、『あの人はおっちょこちょいだから』というだけではだめ。『何か不安があるまま独り立ちさせていないか』『教育が不十分ではなかったか』など振り返って」と呼びかける。
◎関連リンク→ 株式会社イエス,アンド
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