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物流ニュース
慣れない荷物で商品事故 コロナ禍で新規参入も
2020年8月24日
コロナ禍で製造業をはじめ飲食業、アパレル、雑貨に至るまで休業や需要の落ち込みにより、物量は昨年に比較して大幅に減少している。こんな中、中小だけでなく大手物流会社でも、物量確保のために新たな分野での営業展開を行っているようだ。
大阪府で物流業を営む浜中さん(仮名)は、仕事の関係から地方各地を輸送していて、その地域の旬のおいしい果物や農作物を購入し、日ごろ世話になっている取引先や友人などに贈答用として送っていた。
今年も山梨県の桃を、例年通り、知り合いの農家に依頼し、取引先や友人宅に送付してもらった。これまでなら桃が届いた得意先や友人から感謝の手紙や連絡がきていたが、今年は「送られてきた桃の4分の3もしくは半分程度が痛んでいた。桃同士が箱内でぶつかり合ったものが多かった」との報告があった。
浜中さん自身も自宅に送ってもらった桃の3分の1が痛んでいたため、桃を注文した農家に直接連絡すると、すでに別の購入者からクレームや苦情が寄せられていたという。この農家では、今年は、食品などの宅配を行ういつもの運送会社以外に、大手物流会社が営業に来たことから、初めて2社を利用して全国に配送したという。
結果として、今年新たに配送を依頼した大手物流会社の配送分の桃だけが傷ついていたことが判明。農家も当然、同物流会社に苦情・クレームを入れたが、すでにすべての桃の出荷を終えた今では新たに桃を送りなおすこともできず、クレームや苦情が来ているお客に対しては、何らかの対応を検討するとともに、物流会社とも損害等の話し合いを行うとしている。
物流業を営む浜中さんも業界の現状は理解している。「たしかに物量が前年度と比較して減少している中で、減少分を補うためにあまり慣れていない分野へも営業を行うことは今後多くなると考えられる。使う側もその物流会社が荷物の扱いに適した物流会社であるかを考えて利用しなければ、今回のようなトラブルや事故につながる。〝安物買いの銭失い〟と言うが、運賃を下げて競合してきた物流会社に、今まで利用していた物流会社のような仕事はすぐにできない。やはり適切な物流会社を使うことが、取引先と無事に取引できる方法なのかもしれない」と話した。
コロナ禍で荷物の確保はどこの運送会社も必死ではあるが、今回のトラブルは、荷主企業も運賃だけで配送先を選ぶのではなく、運賃が高くとも適正な荷物の取り扱いが行える物流会社の選定が必要であると認識させられる出来事と言える。
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桃の買い取りは勘弁してほしいな。おいしそうだけど。
因果応報。安さが売りの会社には程度の悪い運転手しかいないのは給料が安いから。
服装、容姿、話し方を見たらだいたいまともかどうかわかるやろ?
桃は特に難しいけどな。
うちも新しい仕事始まった。まさかのバラ積みバラ下ろし。今までこれやってきたドライバーにリスペクト。