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物流ニュース
コロナ社会の縮図 ドライバーの「うっかり」が重大処分に
2020年10月8日
コロナ騒動に振り回される社会情勢は深刻だ。感染者の増減に一喜一憂する毎日のなかでは、いつの間にか手段と目的が入れ替わり、風評被害や人権侵害が横行してウイルス以上に人間が人間を警戒する、といった構図が出来上がりつつある。
「最近は、本当に思わぬことがよく起こる」。愛知県に本社を構える50代の男性経営者はそう語ると、自社が体験したコロナ下ならではのエピソードに触れた。
舞台は感染予防対策から出入り口となるゲートで訪問者の往来を記録していた取引先施設。一連のやりとりを効率化するために、センサー式のIDカードがドライバーに発行されていたが、ある日同社のドライバーは研修で横乗りをしていた新人のことをうっかり忘れ、いつもの調子でゲートをカード通過してしまった。
IDカードは車両ではなくドライバーごとに発行されていたため、この行為によって横乗りしていた新人は自ずと「不正入場」の扱いとなった訳だが、そのペナルティが重かった。
「うちのドライバーだけでなく、元請けと他の下請けも含めた全車両が、連帯責任としてカードを取り上げられてしまった」と同氏はその内容に触れ、警告なしでの「一発レッド」となった思いがけない処分に肩を落とす。
処分内容の連絡を受けた元請側も「しっかりと話せば、そこまで重い処分にはならないだろう」と考えて荷主と接触したとのことだが、結果は覆らず。同経営者は反省しきりだったという当のドライバーをかばいつつも一連の流れを振り返り、「悪気のない一人の軽率な行動が自分だけにとどまらず、それに関わっている多くの人間に影響を及ぼしてしまったという点では、今の『コロナ社会』の縮図とも言えるような話だ」と指摘。今回のペナルティが過剰か適正かという部分に関しては見方が分かれるところかもしれないが、仮に過剰だと判断する人間が多数を占めていたとしても、「あれは適正だった」と言わざるを得ない空気が、今の社会には蔓延していると言える。
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俺のせいで会社自体が出禁なったことある。ちょっと偉そうな人に「あんた邪魔」って言ったら、そこの社長だった。