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物流ニュース
OCHIS 新型コロナ感染予防対策マニュアルが完成
2020年10月8日
新型コロナウイルスが国内で猛威をふるい始めて半年が経過したが、今後もウイルスとの長い闘いが続くことが予想されている。社員を感染から守るため、企業には引き続き対応が求められる中で、事業者の強い味方となるマニュアルがこのほど完成した。
ヘルスケアネットワーク(OCHIS)は全ト協の依頼を受け、「トラック運送事業者のための新型コロナウイルス感染予防対策マニュアル」を制作した。全ト協が6月に策定した「トラックにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」第2版をベースに、職場における感染症対策がイラストで分かりやすく解説されている。同マニュアルの活用方法や事業者へのアドバイスなどについて、OCHISの作本貞子副理事長に話を聞いた。
今回のマニュアルの大きな特長は、第2部でそれぞれの立場からの果たすべき役割について、明確に示されている点だ。経営者/総務・人事・衛生管理者/運行管理者/ドライバーが自分の行動を見直し、感染症対策を正しく行えているかを見直すきっかけになると、作本副理事長は話す。「経営者だけが熱心に取り組んでも完全な感染対策にはならない。責任の所在をはっきりさせることで、それぞれに自覚が生まれることを期待する」
また、第3部で示されているように、新型コロナウイルスやほかの感染症に対する備えを今一度チェックすべきと勧めている。「該当部分だけを印刷しドライバー教育の教材としても使っていただける。全ト協のホームページからパスワードを入力しなくてもダウンロードできるので、ぜひ社内でご活用いただきたい」
マニュアル内では、新型コロナウイルスに感染すると重症化する恐れのあるハイリスク者についても紹介している。作本副理事長が特に警鐘を鳴らすのは喫煙者だ。「OCHISで過去に調査したデータでは、男性ドライバーの喫煙率は57%と、成人男性の全国平均に比べて約2倍となっている。また、女性ドライバーの喫煙率も高い。新型コロナウイルスにかかりやすく重篤化しやすい因子として喫煙が挙げられている。喫煙行為は口に手を持っていくので、感染症にかかるリスクが高く要注意である上に、喫煙ルームでは密集する機会が増えてしまう」と指摘する。
今年2月頃には各地でマスクが不足し大混乱となったが、企業では自然災害への備えに加え、消毒薬や感染防護服など感染症対策の備蓄品も今一度確認しておく必要がある。OCHISでは感染症予防ポスターをリリースしており、マニュアルと合わせた活用も期待される。
最後に、作本副理事長は「これだけ新型コロナウイルスの感染拡大が報道されていても、手洗いを疎かにしている企業がまだある。今後は、社員の健康管理の中に感染症対策を加えていただき、経営者の方は適切な指示を出せるようマニュアルを生かしてほしい」と話した。
◎関連リンク→ NPO法人ヘルスケアネットワーク(OCHIS)
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