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物流ニュース
物流現場「可視化」の重要性 パナソニックと物流ウィークリー共催セミナー
2020年11月10日
パナソニックと弊紙・物流ウィークリーは10月28日、オンラインセミナーを共催した。
テーマは、「物流の見える化〜コロナ禍であぶりだされた物流・配送の弱点、現場の未来を変えるカギは『可視化』にあり」。
プログラム第1部は、「コロナ禍で重要性を増す物流センターでの『見せる化』と『自走化』」と題し、ロジスティクス・サポート&パートナーズ(東京都千代田区)の吉原和彦社長が講演。「コロナ禍で、ソーシャルディスタンスの確保や作業の非接触化、管理者のリモートワークの常態化などが求められたが、これらを実現するためには、労働集約型業務からの脱却やロボット化だけでなく、物流サービスそのものの是正が必要となる」と指摘。「例えば、リードタイムを1日延長することで作業量の平準化を図り、生産性が格段に向上するケースもある」と見直しを提案した。
同氏は、「物流センターでは、組織の末端まで『見える化』と、より能動的に『見せる化』が重要」とし、「センター内で起きたミスやエラーをそこで働く全従業員に開示することで注意を促し、結果、ミスが減ることでそれぞれのモチベーション向上につながる取り組みは効果的」と、事例を挙げて解説。「現場従業員一人ひとりが工夫し、改善する現場を作ることが重要」と訴えた。
第2部では、パナソニックの原田孝之氏が、同社が物流業界向けに提供しているソリューションや製品の紹介を交え、現場の「見える化」実現のポイントを解説。「物流業界向けのアンケート結果では、6割が『可視化したい』と答えているものの、そのうち8割が『可視化が進んでいない』と回答したという。『なぜ、見える化が必要か』をきちんと説明できないと、周囲を説得できない」と指摘した。
同氏は、「システム化やアウトソーシングなどが進むにつれ、業務も複雑になっており、『見えない化』につながってしまっている」とし、「今回のコロナ禍で、『見える化が必須』ということが浮き彫りになった」と述べた。
パナソニックの「配送見える化ソリューション」では、ドライバーが持つ頑丈なハンドヘルド端末「TOUGHBOOK(タフブック)」と連携することで、位置情報や配送の進捗をリアルタイムで管理者が共有。「端末はバーコードの読み取り速度も速く、『手袋したままでも操作ができて便利』とユーザーからも好評」という。
第3部では、「コロナに負けない物流体制を作るために」と題し、船井総研ロジの赤峰誠司常務執行役員が登壇。参加者から事前に寄せられた「物流子会社で、親会社からコスト削減を要求されているが、どうしたら良いか」や「荷主だが、業務の『見える化』がなかなか進まない」といった質問に回答した。
同常務は、「何に取り組むにしても業務プロセスの標準化が先決」と説明。また、「製造は『kg』、営業は『円』、物流は『ケース』というように、部門ごとに使用している単位が異なることも齟齬の原因の一つ」とし、製造・販売・物流のコミュニケーションの重要性を強調した。
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