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    悲しい経営者…会社存続に奔走する苦労を従業員は知らず

    2009年8月20日

     
     
     

     会社の経営者は、景気のいい時は社員から「給料が安い」や「働かせすぎだ」などと言われ、景気が悪くなると、また社員から愚痴を言われる。どんな状況でも、あまり楽しいポストとは言えないが、いい思いをしているものと考えられているのが一般的だ。


     しかし、自分を犠牲にして会社の存続、社員の雇用継続を親身に考える経営者も多い。大阪府にある運送会社では、順調な経営を行っていたが、世界的な大不況とともに仕事は激減し、売り上げも好景気時期から半分程度まで落ち込んだ。約1年が経過する現在、毎月のように赤字で、当然ながら自らの給与を大幅に下げてでも会社の継続を図っている。
     この会社は9月が決算期。昨年は約1億円の利益を出したが、急激な景気低迷で1億円の利益に対する税金約6000万円の支払いに困り、社長は退任した。退職金をもらったことにして、どうにか少ない金額の納税にしたのだ。実際にはもらっていない退職金分の税金を自らの蓄えから納め、会社存続を図るため、現在は無給で経営の手伝いを行っている。
     また、別の大阪府の運送会社では、経営難から社長とその妻が自分たちの給与を生活の出来るぎりぎりのライン(2人で約30万円程度)にして、遅れながらも車両リース料、保険料などを支払っている。一向に回復の兆しが見えない景気で経営に嫌気を示しつつも、これまで一生懸命に働いてきてくれたドライバーの生活のために懸命に会社存続の努力をしているが、現状では何か月もつかわからない。
     このような経営者の努力を知らないドライバーの一部には、経営者を非難する者も存在する。同社社長は「はっきり言ってこの状況が続けば、確実に会社も経営者個人も破綻してしまう状況。燃料費の高騰、急激な景気低迷など会社設立当時の5年前から厳しいことばかりで、あまりいい思いがない」と話していた。
     取材当日も、支払いが遅れている保険会社の担当者に社長は厳しい現状を説明して、保険料約70万円を支払っていたが、これも2か月遅れれば自然と解約になることから、1か月程度の遅れでなんとか支払うなど、危機的状況であることを率直に語ってくれた。
     会社や社員を思う経営者のためにも景気が1日も早く好転してほしいものだ。(佐藤弘行記者)

     
     
     
     
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