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    標準的な運賃の活用 北海道内運送事業者の声

    2021年3月16日

     
     
     

    改正貨物自動車運送事業法により設けられた「標準的な運賃の告示制度」に基づいて昨年4月に「標準的な運賃」が告示されてからおよそ11か月が経過した。北海道内の運送事業者は「標準的な運賃」をどのように捉え、どのように活用しているのか。

    多くの事業者に話を聞いたが、「標準的な運賃をベースに運賃交渉を行って、『収受』できた」というケースは1件もない。実勢運賃との開きがあまりに大きいため、十分に活用できていないという声が圧倒的に多い。「荷主と話をしていない」「コロナ禍で仕事が減り、運賃交渉どころではない」という事業者も多い。

    道北の事業者は「実勢運賃よりも、荷主によっては2倍近く、全荷主を均すと20〜30%程度高い水準。収受できるイメージがない。まだ、支局に届出も、荷主に具体的な話もしておらず、これからの話」と率直に話す。ただ、「意味がないと非難したいのではなく、こういった数字を国が示しているということを、皆で言い続けていくことで、少しずつ変わっていくのではないか」と将来的な期待は寄せている様子だ。

     

    同様に標準的な運賃の数字について、多くの事業者から「今の運賃より15%〜30%程度離れている」という声を聞く。道央の事業者は「この数字で交渉する事業者は相当少ないと思うが、荷主と話をする中で、標準的な運賃のペーパーを見せている動きは出てきている。当社でも主要な荷主に見せたが『高すぎる』と笑われ、何も変わっていない。今はまだこのような段階ではないか」と話す。

    標準的な運賃が告示される前年に、多くの荷主と抜本的な運賃改善の交渉を自力で済ませた道央の事業者は、「ドライバーの待遇改善のために不退転の決意で交渉し、概ね運賃アップを認めてもらった。全体的に20%程度アップとなったが、その後に示された標準的な運賃と比べたら、ほぼ同じ水準だった」とし、「示された数字はいい線だと思う。実際に当社でも収受できている水準で、運送事業の持続と、荷主が払える両方のバランスがとれている」との感想をもらす。

     

    このほか、事業者からは様々な捉え方を聞く。「『標準』という言葉が『収受して当然』というイメージを想起させる。国交省も言っている通り、これは『参考』の数字。『参考運賃』『目標運賃』と表現した方が正確だった」(道央の事業者)、「しっかりした荷主は物流コストを把握しているので収受できるはずがない。しかし、物流担当が交代し、物流の素人が交渉についた場合、標準運賃のハッタリが効くかもしれない。こういったレアケースもありうるので、邪魔になるものではない」(札幌市白石区の事業者)、「適正な運賃は、それぞれが原価計算し、それを元にはじき出すもの。各社で原価も求める利益も異なる中で、サービスの価格を決定することは、経営者の中心的な仕事。一律の数字として国に示してもらうのは、本来は恥ずかしいこと。原価計算を元にした運賃交渉をしてこなかった業界の弱さを示している」(同区の事業者)といった声もある。

    また、「傭車に仕事を出す際にも『標準的な運賃を支払いましょう』ということも本来は言っていくべきだが、このような話はほとんど出ていない。運送業界では同業者からの仕事が多いので、荷主からの収受と併せて、こういった話ももっとしていくべきだ」(道央の事業者)といった声もあるが、「もし、協力会社から『標準的な運賃を支払って下さい』と交渉があった場合、どうしますか」と聞き、「支払う」という回答はこの11か月間で一回も事業者から聞いてはいない。

     
     
     
     

    この記事へのコメント

     
    1. 匿名 says:

      北海道の運転手
      東北道速度超過しているんだけどウインカーくらいだせ!

      出さないと陸運局へ通報する

      全てにおいてウインカー出さないと陸運局へ通報する

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    2. 自称敏腕配車マン says:

      直荷主なら原価計算できるが、もらい仕事なんかできるわけがないと思ってるけど認識間違ってる?

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      • 水屋の水屋 says:

        できないですね。配車マンの頭の中に数字があるだけなので

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      • 匿名 says:

        ここでいう原価計算って、実務の運送会社にとっては、要はトラック一台とドライバー1人を客の求める荷物を積み地から下ろし地まで走る際にかかる人件費を含めた費用の事ではないのかな?
        それを元請けに請求額として提示しないことには、始まらない。
        とはいえ図式としては、それを求めたところで断られたら仕事がない。
        だからほぼ元請けの言いなりの金額で走らざるを得ない。
        結局構図は変わらない。
        運送会社やドライバーって業界や職業やるもんじゃないよ、、、何のメリットもない。
        実効性のない責任逃れのための対策しか取らない政府に大きな問題がある。

    3. 匿名 says:

      告示とか通達じゃダメなんだよ

      法律で国土交通省が定める標準運賃前後とかにしてくれないと

      激安運賃+でかっぱらう労働基準法無視の他社には勝てん

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    4. ききやく says:

      運転手の給料に反映されてるのか?

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    5. eroero桃太郎 says:

      業界歴は10年そこそこの若造で生意気ですが、時代の流れだと思いました。個社の判断でしょう。

      社会要請に答えられる企業もしくは、これをうまく利用している企業とお付き合いすればいいだけと思いました。

    6. かすー says:

      標準運賃はかなりの理想。
      皆さん4トン地場で売上どんくらいあります?

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    7. 匿名 says:

      大阪の中小規模ですが、4tで月100万程度が限界ですね。

      大体90万位が平均です。

      着時間の交渉はかなりしてますよ~

      荷主からの仕事が9割程度、同業者からの仕事が1割位かな。

      荷主10割したらまだ上がると思いますが、仕事振る時助けてくれなくなるのでこれ位をキープしてます。

      • ダメ配車マン確定 says:

        4tで月100万とか凄すぎるんですけど・・・。うちなんか70〜80ですよ。2トンだと50後半〜60くらい。大型しか100は無理。やっぱ直荷はいいですねえ

    8. 匿名 says:

      問題意識を持ってここへ書き込むような人達は恐らく職場では浮いてるようなタイプ。
      何故ならこの業界は問題意識の低い人達の集まりという印象。
      仮に標準運賃に近い運賃を支払える大手荷主でも、待ち時間や積込時間のムダな手間でコンプライアンス遵守が難しい場合も多く、そういう荷主は元請けから子請け孫請けの傭車を多く使う。
      表向きはコンプラ遵守を掲げても実務のドライバーにその責任だけを押し付けてるような形がまかり通ってる。
      結局、国が取る責任逃れの表向きの対策と同じ事を荷主がやる。元請けもやる。
      ブラックで経営せざるを得ない末端の運送会社が、それを担う。
      これは既に解りきった業界の形。
      これを放置してるのは誰?
      国や荷主でしょう。
      ではそれを放置して実効性のある対策をしないのは国や荷主の中の「誰」なのか。
      そこへこの業界が問題を突きつけて責任を取らせるべきです。
      標準運賃やコンプラに関しては国や荷主という権限の「基」へ大きな責任と罰則を持たせないと、何も変わらない。

    9. 匿名 says:

      ダメ配車マン確定様へ

      いえいえ、会社内部の金生まない人間が多過ぎて結局赤字ですよ笑

      本当いい仕事をお客様に提供して適正運賃頂いても給料で返ってこないので報われないです。

    10. 匿名 says:

      運賃下げて仕事取って
      来た会社がいて
      あそこの会社は
      この運賃でやるから
      あなたの会社は出来ないの?
      っていう荷主が平成の時代にいっぱいいたからね。
      荷主も悪いが
      運賃下げて仕事取ってきた会社も悪い。
      またそれに従った会社も悪い。
      そのツケが今の現状

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