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物流ニュース
フルラインに対応 住商グローバル・ロジ 茜浜センター
2009年12月17日
日本経済が硬直化して荷動きが落ち込むなか、伸びしろが感じられるのが通販の分野だ。ここに勝負をかけようと考えている物流・運送事業者も多い。早くから通販物流事業を展開してきた住商グローバル・ロジスティクス(SGL)の茜浜センター(千葉県習志野市)を取材した。
同社の物流センター事業は量販店や外食、通販などを取り扱うが、なかでも通販は「堅調に推移している」(センター事業本部の小川隆司営業開発部長=写真左)という。通販物流の旗艦となっているのが茜浜センターで、第1センター(建物面積約1万7000坪、06年6月竣工)と第2センター(同1万500坪、07年3月竣工)から成る。
ジュピターショップチャンネル、ゴルフダイジェストオンライン、アシェット婦人画報社など、テレビショッピングやネット通販を含め、通販では8社の物流を担う。
最近は荷主のニーズに応えて、第2センターに撮影ブースを設けた。「アパレルなどの場合、いかに早く商品をサイトにアップするかが勝負。入荷した商品をピックアップして撮影スタジオに輸送していたこれまでに比べて、(アップロードまでの)リードタイムを大幅に短縮できる」(営業開発部の松本裕治氏=写真右)。
平均取扱量は1日約4万SKU、約4万ピース。最大時は同約5万SKU、約12万6000ピースに上る。配送は佐川急便が担当し、同センターに常駐。基本は翌日発送で、人員は平均時で600ー700人、ピーク時は1000人ほどが稼働。テレビショッピングの場合は放映プログラム、ネットやカタログ通販の場合は季節ごとのイベントを事前に把握することで需要予測を立て、波動に対応するという。
「少量多品種」の通販物流に大切なのが「正確さ」で、これを支援するのが情報システムだ。WMSは荷主の受発注システムとも連動させ、在庫状況や個人単位の作業進捗率まで、あらゆる情報をリアルタイムで確認できる。小川部長が「うちは人間系のセンター」というように、一部にマテハン類が導入されているものの、人手による作業が基本。波動に合わせてレイアウトなどを柔軟に変更できる。
また、システムの活用で「無駄な人手を減らす」とともに、「作業者がなるべく『考えないで』作業できる仕組みを作り、ミスを減らす」ことでコストダウンを実現。カタログやチラシなどの「同梱物」の場合、作業者は目の前のモニターを見れば、現在梱包している箱にどれを入れれば良いのかが視覚的に分かる。
10年以上前から通販物流を展開し、荷主の成長に合わせて物流も変化させてきた。テレビショッピングで言えば、「以前は放送した次の日に一気に出荷して、それで(その商品は)終わりだったが、今はネットもカタログも並行しており、在庫を長期間置いておかなければならない」(松本氏)と、チャネルの形態も刻一刻と変化。そのたびに、ロケーションの変更などで対応してきた。
これらの経験があるため、どのサイズの事業者にも対応できる。年商1000億円超の企業から小規模モールまで、「フルラインでサービスを提供できる」(小川部長)。WMSも、大がかりなものを荷主に合わせてカスタマイズしていたが、「小規模事業者向けに、汎用性の高いバージョンを作ることも検討している」(同)という。
同センターはドライのみの扱いだが、「食品関係の依頼が多かったため、スーパーや外食向けの浦安食品センターの一部を通販用に確保した」(小川部長)。今後もフルライン対応の強みを生かし、さらなる顧客の取り込みを狙う。
また、SGLでは、グループの力を生かした海外一貫輸送も展開。たとえば、アパレルの一大生産地である中国の現地法人と連動し、調達からコントロールする依頼にも応え始めているという。
検品業務を現地で行ってから国内に持ち込めば、リードタイムの短縮にもなる。反対に、中国進出を考える通販事業者の支援も行っているという。
◎関連リンク→ 住商グローバル・ロジスティクス株式会社この記事へのコメント
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