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物流ニュース
自社物流部門を独立 ラミーコーポレーション
2010年5月25日
多角的な事業展開を見せるラミーコーポレーション(大阪市福島区)。同社の母体となる事業は、ラミネートやラミネーターの業務用から一般ユーザーへの販売となるが、社員の経営に対する意識高揚を図ることなどを目的に自社物流部門を独立させた。
奥野明社長は「資金的な問題や人材育成の体制も整ってきた。社員に夢を持ってもらうため今後はグループ会社社長としての人材を20人は育てたい」と、社員のサラリーマン化をなくすための独立化や新たな分野の進出など、職場環境の構築に取り組んでいる。
同社の「りんくうロジスティックスセンター」は、平成18年に開設。敷地面積約500坪で倉庫が300坪。高槻市(大阪府)の物流センターと摂津市(同)の倉庫を一つに集約化し効率化を図っている。当初は自社だけの荷物の取り扱いだったが、営業倉庫の認可を受け保管からピッキング、物流加工、内職などを請け負って事業を展開する。
りんくうロジスティックスセンターの強みは、これまでの自社物流ノウハウである小ロット・他品種の管理と、それに伴う物流加工。奥野社長は「良く動く商品と、そうでない商品をどういう風に受発注し、コントロールするかのノウハウを築いた」という。
また、「不良在庫、欠品をなくし在庫金額を落とすということが求められるが、いかに商品の回転を良くするかが重要。商品の動きをデータ管理し効率よく発注できるよう、全体の動きを捉え、メーカーにお伝えできる体制にし、そのノウハウをセールストークに生かしていきたい」と、営業倉庫として本格的に事業を進めていく考えだ。
同センターを総括する上田大門氏は「常に変化する顧客ニーズに対応するため、お客様の声を聞きながら、その変化に対応できる体制を築いていきたい。積極的にコミュニケーションを交わしているため誤出荷や欠品率が低く、その強みを生かしたい」と意気込みを見せる。
総合的な物流業を視野に入れる奥野社長は、「自社でトラックを購入して事業を展開していこうと考えている。当面は自社の荷で取り組むが、現在アウトソースしている大きな機械輸送を自社で手掛けていきたい」とし、「機械を分からずして運んでもらうと、あとあとセッティングで問題が出てくる。機械に対して知識のある人員が求められるので、その専属要員を今後は確保していきたい。まずは1台で取り組み、M&Aも視野に入れて営業ナンバーの取得も考えている」と、総合的なロジスティックを視野に入れる。
今年で31期目となる同社。順調に業績を伸ばしているが、「従業員の将来性を考えると事業を常に拡大していかなくては職責、職位が確保できなくなる」という考えを示し、現在、関連会社4社、全国に営業所など9拠点を構えているが、奥野社長は「各営業の独立も考えている。地方は何でもやらないと厳しい環境であり、札幌でも小規模だが自社の物流を築いていく」と語る。
また、地域に根付いた事業を展開する同社は創業20周年記念を機に毎年、ボランティアの一環として大阪府の福祉施設にランドセルを贈呈している。
今後について、奥野社長は「商売でもニッチな分野があるが、世界でもニッチな国があると思う。中国やインドに進出しても大手企業と比べ資金力や人材面も難しいが、大手が行かない人口が2000万人以下の海外進出も考えたい」とし、「グループを含め売り上げ100億円規模の企業を築いていきたい」と語る。
◎関連リンク→ 株式会社ラミーコーポレーションこの記事へのコメント
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