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    誤った認識であわや一大事

    2011年6月10日

     
     
     

     誤った認識や、あやふやな理解が原因となって、あわや一大事に…というのは実運送、なかでも冷凍トラックの現場で見られがちなシーンだ。「4t分の荷物を積めるのが4tトラック」という荷主の勝手な思い込みが原因となった場合や、「運転を練習させるために、高校を出たばかりの新米ドライバーを2tの冷凍トラックに乗務させた」と、社長の判断ミスに起因した危ないケースも見られる。


     関西地方のベイエリアにある流通団地へ、帰り荷を積みに入った広島ナンバーの4t車。積み込みが完了したことを報告するドライバーからの電話を取った社長は、「絶対に断れ。事情を説明して下ろしてもらうしかない」と表情を一変させた。
     「勉強不足の荷主がいるから困る」と社長。事情を聞くと、4t車といっても冷凍車である同社のトラックの最大積載量は2tちょっとだが、「4t」ということで「帰り車」を注文した荷主が出してきた荷物は4tを少し超えていた。
     「ドライバーの話によれば、荷主の担当者は『ちょっとだけ(4tを)超えているけど…』と軽い感じだったようだが、ウチのトラックは2tちょっとしか積めない。そんな状態で4㌧オーバーの荷物を積めば即座に10割オーバーの悪質違反となり、会社ぐるみと判断されれば事業停止の可能性もある。本当に危なかった」と、社長は胸をなで下ろしている。
     一方、同じく冷凍トラックをメーンに抱える神戸市の運送会社。今春の高校卒業者をドライバー候補として採用しているが、しばらくは運転操作の訓練も兼ねて2tの冷凍トラックに乗務させるなどしていた。
     平成19年の免許制度改正で、新しい普通免許でハンドルが握れるのは「最大積載量3t未満・車両総重量5t未満」に制限された。トラックの場合だと、架装の少ない2tトラック程度にしか乗れない計算になるが、これが冷凍車となれば事態はさらに深刻。ショートボディーなど一部を除き、2t車であっても乗務できないケースが珍しくない。
     同社の若手ドライバーが「練習のために毎日乗っている」という2t車の車検証を見せてもらうと案の定、最大積載量には問題なかったものの、車両総重量の欄の記載は「5050kg」。わずか50kgのオーバーとはいえ、れっきとした「無免許運転」。容認していた格好だけに、社長も大慌てでドライバーのケイタイを鳴らしていた。

     
     
     
     

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