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物流ニュース
軽貨急配・高柳代表取締役 ネットスーパー拡大も視野
2011年7月28日
軽貨急配(大阪府門真市)は今年2月、ByーQホールディングス(大槻かつみ会長兼社長、東京都中央区)の一員となり、代表取締役に高柳均氏が就任した。
高柳氏は軽貨物の個人事業を手掛けてきた経歴を持ち、ByーQホールディングスグループでその手腕が認められ、カーゴ部門の経営者として成功。今般、軽貨急配の舵取りを任された。「再生だけだと会社が弱る可能性がある。再生プラス生き残りを掛けたプランを同時進行で行い、2年後をめどに新生の軽貨急配を築いていく」と切り出す高柳氏に、新生を捉えたトップの思考などを聞いた。
軽貨急配は企業専属契約をベースにして全国的に成長してきた。平成21年にはスポット便やチャーター便の「トラスポット」のサービスを打ち出してきた。ByーQグループは関東地域に特化した緊急配送サービスが主流。
両社が組み合わされることで、高柳氏は「今後は、さらに軽貨物・バイク・一般貨物・自転車・ハンドキャリーなど、全国ネットワークによる様々な輸送媒体での緊急輸送の対応が可能になる。ByーQグループとのコアビジネスのシナジーを最大限に生かしたサービスの提供を行っていく」と打ち出す。
高柳氏が軽貨急配ではじめに着目した事業は、過去に行っていた仕事と車両を提供するマッチングビジネスの問題点。「車を販売するという事業を一度辞めているが、今まで全国的に車の手当をしているスキームというのは、軽貨急配の斬新なアイデアでカリスマ」と評価した上で「ただ、車両の適正価格の設定と仕事の需要に合わせたドライバーの確保が出来ていなかったため、負のサイクルがあった」と指摘する。
高柳氏は「募集した後から仕事を付けるのでなく、最初に仕事を見つけて募集する」と説明。具体的には「キックオフは1か月後で、きっちりお客様とヒアリングして募集を出せば、ドライバーの研修期間も設けられる。マッチングビジネスの基本には乗れる」と見据え、今年下期から車を使ったビジネスを再開する意向だ。
「車両を購入してもらうというのではなく、『車両を使った事業』を違う形で広げていきたい」とし、「女性の気遣いや目線は大切で地域密着には必要。女性をターゲットにした女性独立ドライバーを積極的に展開して、ネットスーパーの事業にもつなげていく」と話す。
インターネットの普及で通販事業が拡大している中、昨年度から着手し、同社の大きな柱となるネットスーパー事業。高柳氏は「人と予算がかかるのでシステム化出来ていない中小個人のスーパーについても、軽貨急配独自のノウハウを生かしたワントゥーワンマーケティングでの配送の実施により、多くの要望を受け始めている」と説明。
「本格的な高齢化社会に対応するには狭いエリアごとに地域住民の信頼を得ることが必要であり、『聞き取り注文』こそが、地域住民に望まれてくると考えている。ネット購入には宅配は不可欠であり、軽貨物での宅配業務の役割は一段と大きくなると認識している」と先を見る。
また、同社は今年6月に東日本大震災の被災地への支援キャンペーンとして、宮城県仙台市を中心に軽貨物運送網を使っての復興支援を展開中だ。
高柳氏は「軽貨急配の対応力とお客様を見つけるという探求心は従来から社員に備わっていることが武器」とし、「今後は東京エリアをはじめ、全国を10エリア程度に分けた社内カンパニー制度を導入し、サービスの充実を図り、シェア拡大を目指す」と意気込みを語る。
◎関連リンク→ 軽貨急配株式会社この記事へのコメント
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