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    変化した軽貨物業界 若者の開業ツールからシルバー産業へ

    2012年5月11日

     
     
     

     今後、若年労働力不足が懸念されるトラック業界。現場ではすでに人手不足が進んでいるが、それ以上に深刻な状況となっているのが軽貨物業界だ。「車だけ買わされて仕事は紹介されない」など、負のイメージが浸透したのに加え、落ちるところまで落ちた運賃に、車両を購入してまで開業しようという若者はほとんどいなくなったという。


     千葉県のある事業者は、「日々の仕事のやりくりにも頭を悩ましている」とした上で、「軽貨物は完全にシルバー産業になってしまった」とこぼしている。
     「昔は独立開業するのに最適で、やりがいもあった」と振り返る同社社長。自身も20代で軽貨物車を購入し、独立開業した一人だが、「労働時間にも制約がなく、働けば働くほど稼げた」という。
     軽貨物は一般貨物と違い、軽トラック一台で開業できる。そのため、独立開業するのに手っ取り早く、独立心があり、意欲のある若者の開業が相次いだ。実際、軽貨物から一般貨物へと事業拡大をした事業者もおり、活気と魅力のある業界だったという。
     しかし、激しい競争を繰り返し、トラック同様に運賃は下がり続けた。労働時間の制約がない軽貨物は、四六時中働くことも可能だ。そのため、下がった運賃をカバーしようと、長時間労働が蔓延してしまった。「労働時間は長いが、思ったように稼げない。旨みもなくなり、若者は開業に二の足を踏むようになったのではないか」と、同社長は指摘する。
     12時間以上働いて、1日7000〜8000円の稼ぎにしかならない仕事も日常茶飯事という現状に、「今だったら軽貨物で開業しようとは正直思わない」と本音を漏らす。若者が減り、気付けば周囲は年配者ばかりになったという同社では現在、仕事のやりくりにも頭を悩ませている。
     配達の件数が多いなど難しい仕事になると、できないと断られるケースもある。そのため、「仕事の割り振りに頭を悩ませており、日々の業務に支障をきたしているのが実情」だという。「周囲には、自分から進んで仕事を探す若者がまったくいなくなった。軽貨物業界は完全に活気を失った。高齢者が自分の時間を有効に使うために開業するという色合いが濃くなった。もはやシルバー産業といえるのかもしれない」と話している。

     
     
     
     

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