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    北海道開発局 苫小牧港の重要性を調査

    2012年10月16日

     
     
     

     北海道開発局港湾空港部港湾計画課は9月7日、苫小牧港の港湾視察会を開催した。同港は、北海道の港湾貨物シェアの5割を占め、外貿コンテナ貨物の約8割を取り扱うほか、今後のLCLコンテナ貨物の輸送拠点としても期待されている。開発局は、その現状や重要性をPRする目的で、西港区北埠頭、西港区勇払埠頭、東港区国際海上コンテナターミナル、東港区フェリーターミナルなどの視察を企画した。同課として初めての試みに同行取材した。


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     北海道の港湾取扱貨物量は近年、2億トン前後で推移し、全国シェアの7%程度を占めている。道内には大小41の港湾があるが、中でも国際拠点港湾の苫小牧港は、北海道で最も大きく、重要な物流拠点となっている。22年の取扱貨物量は、9468万トンで、全道の約5割を占めている。貿易額は6342億円。取扱貨物のうち、内貿は7892万トン(移出3891万トン、移入4001万トン)、外貿は1576万トン(輸出104万トン、輸入1472万トン)となっている。
     同港の開発は、西港区、東港区を合わせて港湾区域1万4000ヘクタール、海岸線約24kmに及んでおり、背後には大規模な工業地帯が並んでいる。「西港区の内貿ユニットロード貨物」「東港区の国際コンテナ貨物」と大きく色分けられているのが特徴だ。
     西港区は、主に内貿ユニットロード貨物の拠点として機能しており、内貿RORO、フェリー(太平洋側航路)がメーン。同区にあった内航フィーダーコンテナは今年度から東港区に移転する。
     同港の内貿取扱貨物量は7892万FTで全国1位。日本最大の広域的な内貿ユニットロード貨物の拠点となっている。
     西港区では現在、長周期波による港湾静穏度を確保し、船体動揺に伴う係留船舶の荷役障害や係留索切断、タグボートによる押さえつけが必要となるなどの障害を改善するため、防波堤港内側に長周期波対策工事を整備しており、今年度中に完成する予定。これにより安定した荷役作業が可能となる。
     東港区は、国際コンテナターミナルとして機能しており、外貿コンテナに加え、今後は内航フィーダーコンテナも扱うほか、フェリー(日本海側航路)ターミナルもある。北海道の国際コンテナ貨物はここ10年間で倍増しており、22年は過去最高の26万5000TEUとなった。同港はその8割を担っており、同年は初めて20万TEUを突破。取扱個数は全国9位を占めている。現在は週6.5便の外貿定期コンテナ航路を抱えており、道内唯一の北米航路が就航している。
     もともと外貿コンテナは西港区で扱ってきたが、コンテナが増加するに伴い容量を超える取り扱いを余儀なくされ、多くの滞船・貨物の遅延が発生していた。そのため東港区に新たな国際コンテナターミナル(水深14m岸壁)の整備に着手し、20年8月にコンテナ機能を移転。22年4月に水深12m岸壁の一部を供用し2隻同時荷役が可能となり、23年10月に水深12m岸壁本体の整備が完了した。現在は水深14m岸壁330m、水深12m岸壁240mを整備し、コンテナを扱っている。移転前は50%近い沖待ちが発生していたが、移転後はこれが一桁にまで落ちたという。今秋からは順次、内航フィーダーコンテナを西港から移転していく。
     今後も増加する見通しのコンテナに対応するため、8月後半から、道内最大となる3基目のガントリークレーンの供用を開始した。オーバーパナマックスタイプの船舶を対象とし、16列に対応、つり揚げ荷重は49トン、全揚程は48.5m。
     物流拠点として40〜50年後の将来像は、「西港区の内貿ユニットロードターミナル機能の再編と東港区への機能展開、高機能な内貿ユニットロードターミナルの形成」「ロジスティクス・ハブ機能を有する国際総合物流ターミナルを東港区に展開する」「バルク船の大型化に対応する岸壁等を東西港区に配置する」といったものだ。
     また、道外の港湾管理者は都府県や政令指定都市の場合が多いが、北海道ではほとんど市町村が管理している。道内12の重要港湾等では、苫小牧と石狩湾新港を除く10港、23の地方港湾の全てが市町の管理となっている。そのため、脆弱な財政基盤が要因となり、必要な港湾整備が遅れるといった問題点を抱えているという。「港湾の運営にかかるスペシャリストや、国内外にポートセールスを行う人材の確保、育成が不十分。専門スタッフが脆弱であることが問題」と指摘している。

     
     
     
     

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