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物流ニュース
荷主先での手待ち時間 半数近くが「常時発生」
2012年10月3日
運輸労連(山浦正生委員長)が5月10日に実施した「組織拡大全国統一行動・アンケート調査(2012年度)」の結果が、このほどまとまった。未組織のトラックドライバー7845人の「生の声」から、年々低下する年収や高い水準にある改善基準告示違反、さらに「5台以下」の厚生年金加入率は56.6%という劣悪な労働環境が改めて浮き彫りになった。荷主先での「手待ち時間」は「常時発生している」が45.8%、このうち「2時間待ち」は17.7%もあった。
年収は、「301万ー500万円」が54.0%で最多。次いで「201万ー300万円」が23.8%。「501万ー700万円」が14.1%、「701万円以上」は1.2%で、前回(1.0%)に比べ0.2ポイント上昇したが、「201万ー300万円」も0.1ポイント上昇。05年調査時に比べると7.5ポイントも増えている。さらに、「200万円以下」は4.9%で前回に比べ0.6ポイント上昇するなど、総じて年収の低下傾向は続いている。
連続運転時間は、「4時間以内」が72.7%で前回に比べて2.8ポイントアップ。改善基準告示違反となる4時間以上では「5ー6時間」が18.4%(前回20.6%)、「7時間以上」は7.3%(同8.3%)と改善されているものの、依然として高い水準。
今回の調査では新たに「荷主先での手待ち時間の発生」と「荷主先での付帯作業」の2項目を新設。いずれもトラック輸送適正取引推進パートナーシップ会議などで「適正運賃収受を阻害する要因」「悪しき商慣習」などと指摘されている。
手待ち時間は48.8%が「常時発生している」と回答。このうち「2時間程度発生」が9.8%、「常時2時間以上」は7.9%で、合わせて17.7%が荷主先で「2時間もしくはそれ以上」待たされていることから、「拘束時間に大きく影響することが危惧される」と運輸労連事務局。
荷主先での付帯作業は、7割近くが「何らかの付帯作業がある」と回答。最多は「フォークリフトなどの荷役作業」で39.3%。次いで「ピッキング、棚入れ・棚出し作業など」11.1%、「廃棄物の引き取りや梱包」7.1%、「輸送物の設置作業」6.0%、「配送先での商品陳列、事務作業」3.9%など。運輸労連では、「荷主は付帯作業も運賃に含まれるとの認識。しかし、付帯作業は明らかに別作業なので運賃・料金とは別に付加する交渉が強く求められる」と説明。
厚生年金の未加入率は平均16.3%。このうち保有車両「5台以下」では加入率56.6%だが、「101台以上」では93.2%と、保有台数が多くなるにしたがって加入率も高い。
このほか、土日のSA、PAは「乗用車が占拠して停められない」が30.6%で、前回から2.0ポイント増加。多くのドライバーが「駐車したくてもできない」現実に悩む。駐車できない場所のワースト3は、東名道「海老名」、東北道「蓮田」、九州道「基山」の順。
アンケート調査は運輸労連が毎年、全国の主要高速道路のSA、PAや一般道、トラックターミナルなどで未組織のトラックドライバーを対象に実施しているもので、結果は運輸労連の政策立案や政府交渉時の資料として活用される。
◎関連リンク→ 全日本運輸産業労働組合連合会(運輸労連)この記事へのコメント
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