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    偽装請負 派遣法の改正で個人請負悪用事例が増加

    2013年2月27日

     
     
     

     昨年3月の労働者派遣法改正、同8月の労働契約法改正を受け、個人請負を悪用している事例が増えているという。運送事業者の賃金システムについても「偽装請負」ではないかという指摘も出ている。運送会社の賃金制度は固定給や歩合給などさまざまで、個人償却制度や個人請負もあり、業界全体に「偽装請負」があるのではないかという間違った認識が広まる恐れも少なくない。
     読売新聞2月4日号朝刊で、運送業界の偽装請負として挙げていた事例では、「求人を見て応募後、請負での契約を求められた。仕事を断ることはできず、車両は会社からの貸与。出勤時間が指定されており、1か月後に退職を求めると駐車場代などを要求された」というもの。個人請負でありながら、実際には社員と同様の管理下で働く「偽装請負」としている。


     運送業界では、個人請負は多いのだろうか。運輸労連が2005年まで実施していた「車両の所有形態」の調査では、「社有車94.5%、個人所有車5.0%、無回答0.5%」となっており、個人請負はそれほど多いとは言えない。
     個人請負制と偽装請負の差はどこにあるのだろうか。国交省貨物課によると「独立したドライバーが許可を受けていなければもちろんダメ。しかし、そうでなければ、貨物自動車運送事業法の外の問題になる。同法では許可を受けていないかどうかが判断されるだけとなる。労働基準法でアウトになるかもしれないが、これだけで(国交省が)指導するかどうかは難しいところ」と説明する。
     偽装が疑われる事例として、「発注企業の指揮命令」「就業時間などの管理」「仕事を断る事由がない」などが挙げられるが、厚労省労働基準局監督課では、「それらも労働者性を強める要因であることは確かだが、それだけではダメ。総合的にまた、ケースバイケースで考える必要がある。労務遂行上の問題はどうか、代替性の有無や車両の所有者、税金や雇用保険などいろいろな要素があり、すべて合わせて考える必要がある。一概にコレをしたから偽装請負というものではない」と説明する。なお、「現在、社員を個人請負にするという偽装請負が増えているかどうかは把握していない」と話す。
     都市部の労働相談センターでは、1年ほど前から偽装請負の相談件数が急増しているという。運送業界での偽装請負を指摘する声が多くなれば、今後、ト協などによる給与形態などの調査やトラック車両の所有形態などの調査が必要となるだろう。場合によっては行政に先駆けた対応も求められる。

     
     
     
     

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