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    守れぬ点呼に苦肉の策 「専属傭車を一括で」「自宅で休息」

    2013年5月13日

     
     
     

     「専属の傭車を一括して(ウチで)点呼できないものか」と悩む若手の運送経営者がいる。行政が求める通りの点呼が実行できない零細の実運送事業者の事情もあるが、「下請け事業者の管理徹底が元請けの責任になりつつある」という現場の流れも背景にある。しかし、現行のルールでは認められないのが実情。一方、「遠方に出向いて帰庫できない状況にあるドライバーの場合は電話点呼で構わないのなら、あえて事業所に戻ってこなければいいのではないか」と、最大で6日間(144時間)まで認められる連続運行の範囲内で〝柔軟〟な運用を試そうと考える関係者もいる。果たして、そんなことが通用するのだろうか。


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     「対面点呼が重要なのではなく、大切なのは安全の確保」と話す岡山県の運送経営者は現在、旧態依然とした点呼の壁を崩せないかと頭をひねっている。その一つが「出入りする協力会社のドライバーを、ウチの倉庫で一括して点呼できないか」というもの。
     下請けのドライバーは従来、時間的な問題もあってトラックを元請けの構内に止めて帰宅しているらしく、「協力会社との間で協定か何かを取り付けることで、点呼業務を委託できないかと行政に相談したこともある。下請けにはオーナーもハンドルを握る5台規模の所帯が多く、無人の事務所に戻ったところで点呼が取れるわけもない」と話す。ただ、行政の窓口では「現実には理解を示すものの、所属事業所で実施するか、Gマークを取って点呼場所の選択肢を増やすしかないと、門前払いだった」と社長。
     Gマークを取得すれば所属以外の事業所や、車庫でもIT機器を使用した点呼が可能というメリットが付加されるが、本社営業所しか持たない小規模・零細事業者には無縁のインセンティブで、「車庫でもOK」というのが魅力的かといえば、実際には調整区域の問題で事務所と車庫が離れてしまう実情への配慮にすぎないと受け取れる。安全管理を徹底するには本来、運行管理者が常駐する事務所と車庫は同じ場所にあるべきだからだ。規模の大小を問わず、大半の事業者が望んできた「事務所とトラックの間のIT点呼」は、高度な情報技術に裏打ちされた現在も許されない行為となる。
     一方、広島県の運送会社は「やらないよりはマシ」という発想で、「原則として、近距離配送のドライバーも6日以内に一度は会社へ顔を出すという社内規則を作った」。同社には主力の中・長距離便のほか、「深夜・早朝に出て、昼過ぎや夕方に戻るドライバーもいるが、1日に数人の点呼作業のために夜通しで対応するわけにはいかない」と、実運送業界に共通した悩みを抱える。
     「営業区域が廃止され、いまは6日間(144時間)まで出っ放しが許される。仮に6日目に帰庫するドライバーなら、2日目からの4日間は電話点呼で構わないのがルール。その場合には中間点呼を加えた1日3回の点呼作業が必要で、運行指示書も用意しないといけないが、なんとかなる」と決断。「トラックに不具合があるなど、特別な事情がない限りは〝自宅車庫〟を休息ポイントに指定。会社へ戻さないほうが管理しやすいというのもヘンな話だが…」と嘲るように話す。
     そんなイレギュラーが許されるのかは大いに疑問だが、ある地方の運輸担当官によれば、電話による点呼は「長距離運行などで、やむを得ないときに認められるもの。ただ、どこまで走れば出先で宿泊させ、何㌔㍍の距離なら事業所へ戻すという定めがないのも確かで、好ましくない行為としかいえない」と説明。また、運送現場に近い出先機関の立場として、「実態と現行のルールが乖離し、矛盾があることも承知している」という声も聞かれる。

     
     
     
     
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