Now Loading...
 
  • 物流ニュース

    「取り込み詐欺」続発、「いい運賃ほど危ない」

    2013年9月13日

     
     
     

     3月で中小企業金融円滑化法が期限切れを迎えた。リスケジュールが厳しくなり、金融機関からの貸し渋りや貸しはがしにより、倒産企業が増えるとの見方がある。運送業界でも注意しなければならないのは、取り込み詐欺を図って計画的に倒産する事業者の存在だ。
     最初から運賃を支払う意思がないのに配送を依頼し、収受した運賃を丸々自分のものとする詐欺。大阪府の運送会社も今年、取り込み詐欺に引っかかってしまった。
     大阪から関東まで走って、帰りの仕事は取扱事業者や同業者からもらって走っていたが、ある日、聞いたことのない事業者から「直接取引をしたい。いい仕事があるが」と連絡があった。アンダーではなく、直接取引することで運賃が上がると持ち掛けてきた。


     関東からの帰り運賃は4トン車で4万2000~4万3000円だったが、「4万7000円は出せる」と5000円程度高く提示してきた。会社概要をファクスで送ってもらったが、社歴は長く、台数、売り上げも大きく、取引先は大手の上場企業が名を連ねており、「非常にしっかりした印象を受け」、2か月サイトで仕事を請けることにした。帰りの仕事はそこから請けて数多くこなしていたが、結局、支払い日になっても入金がなく、ほどなく弁護士から破産宣告の通知が送られてきた。「会社概要はパソコンで作成して、いくらでも絵を描ける。つい信用してしまった」と社長は悔やむ。
     また今年、同様に取り込み詐欺に遭ったという別の大阪の運送会社。「最初の2~3回(20万~30万円)は払っていたが、月50万~60万円になったところでやられた」と話す。相手側は突然、連絡が取れなくなり所在不明に。当初、相手側から「(大手電機メーカー系の)○×ロジスティクスと直接取引がある」と、信用させられたという。「実際は何件かんでいたかわからない」と話していた。
     昔、取り込み詐欺に引っかかったことがあるという事業者は、「最近は利用運送だけでなく、全国展開している大きい会社でもわからない」と話し、また、「表立っていないが、少額の運賃で数多くの事業者をターゲットにしているところも出てきている。いい運賃ほど危ないと言ってもいい。しっかりした与信調査や求車・求荷ネットワークを通じて取引するなど対策は必要」と注意を呼びかける。
     取り込み詐欺に遭った前述の運送事業者に数か月後、荷物があるので取引をしたいという電話がかかってきた。以前、荷物を斡旋し、行方不明になった事業者とまったく同じ声であった。しかし、名前が違う。「○○か?」と問いただすと電話は突然切れ、それ以降、二度とかかってきてないという。

     
     
     
     

    この記事へのコメント

     

    コメントをする

    ※コメントを投稿することにより、利用規約をご承諾いただいたものとみなします。

    内容をご確認の上、送信してください。

     
     
  •  
  •  
  • 「物流ニュース」の 月別記事一覧

     
  • 物流ニュース」の新着記事

  • 物流メルマガ

    ご登録受付中 (無料)

    毎週火曜に最新ニュースをお届け!!

    ≫ メルマガ配信先の変更・解除はこちら