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    免許証の徹底確認を 思い込みと勘違いに注意

    2013年9月17日

     
     
     

     全ト協(星野良三会長)は「免許種類と運転可能な車両の車検証等による確認の徹底について(中型車両に係る無免許運転防止徹底のお願い)」の通達を7月下旬、各都道府県のト協会長に向けて発信した。
     これは、7月12日に20歳代の宅配ドライバーが中型車両の無免許運転で書類送検されたことを受け、各運送事業者に警鐘を鳴らすための処置だ。中型免許制度は複雑かつ若手のドライバー不足を加速させる要因として、改正の要望が数々出されているなかで起こった今回の事件の詳細と課題に注目してみた。


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     道交法違反の疑いで書類送検されたのは、ヤマト運輸南水元センター(東京都葛飾区)の元支店長と元副支店長および同センター所属の25歳のドライバー3人。ドライバーは中型免許を所持していないにもかかわらず、車両総重量5トンを超えるトラックを運転、12日に物損事故を起こしたことから発覚した。
     同社では「コンプライアンス経営を推進する中、このようなことが発生し、お詫びするのみ」との対応。詳細を聞くと、思い込みと勘違いが二重三重のチェックをかい潜り、点呼や点検業務が日常化し、その機能を十分に果たしていなかったことが分かった。
     中型免許制度がスタートしたのは平成19年6月2日。この前日までに普通免許を取得した場合は、普通免許で8トンの車両まで運転可能だが、今回違反を指摘されたドライバーは、中型免許制度開始時は19歳。もし18歳で免許を取っていれば問題はなかったが、免許取得は新制度に代わってからだった。
     所属のセンターで仕事を始めた頃、同ドライバーは先輩らに「中型車両も乗れるのか」と確かめたところ、先輩らは「問題ない」と返答。冷凍・冷蔵庫など架装して中型車両扱いになっている集配車両は、通常の2トン車と見た目では判別がつきにくいため、車検証のカバーを種別で色分けし、チェックしていたという。さらに点呼担当の運行管理者の異動などもあり、運行前の免許チェックでも「携帯の有無と有効期限確認にとどまり、免許下部に記載されている『種類』の項目は見ていながらもノーチェック状態となっていた。完全に慣れからの思い込みと、知識不足が招いた事態。真摯に受け止め、徹底した改善を図っていく」と話す。
     今回の事案を踏まえ、同社では「安全指導長」300人に各エリアの巡回指導を強化するとともに一斉点検日を設け、免許の再点検も実施。広報部では「車両に様々な機器を載せ、本来の車両より相当重い重量になっているケースが多い。今後、車両開発の際は配慮していく」と述べた。
     全ト協では「人手不足の折、運送現場では30代以上の新人ドライバーも少なくない」と話す。「最近はわざわざ運転免許を取って入社する中高年もいる。年齢だけで運転経験がそこそこあるだろうと思い込まず、必ず確認してほしい」と注意を促す。
     また、東ト協では「すぐそこだからなどと安易に考えず、どんな状況でも油断せず、規則は守っていただきたい」とし、「現場では総重量5トン超えの車両が多く、混乱を招きやすい。若手ドライバーらのためにも、一日も早く改正されることを望んでいる」と語る。

     
     
     
     

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