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    彷徨い続ける年金基金 タイムリミットのギリギリまで

    2013年9月20日

     
     
     

     「年金基金の資産運用は本来、安定した財政基盤を構築するための行為であって、短期的な投機目的であってはならない」。厚労省が7月下旬から8月初めにかけて、地方厚生局ごとの7ブロックで開催した「企業年金制度改正」に関する説明会。来年4月に改正厚生年金保険法が施行されれば5年内に解散、継続かのいずれかを判断しなければならないが、「その根拠となる政省令の中身がわかるのではないか」と期待する声も聞かれていた。しかし、「解散一辺倒だった国の反応が、違った制度へのシフトを促すトーンに変化した感じを受けた」と説明会に参加した関係者の一人。
     タイムリミットのギリギリまで、英断を下せそうにない状況が続いているようだ。


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     解散(代行の返上)するには、国から預かる資産(最低責任準備金)のマイナス分を穴埋めしないといけないが、全国に35あるトラック年金基金を見ても、平成24年3月末の時点で純資産が最低責任準備金を下回っているケースが目立ち、なかには70%を割り込むような基金もある。給付額を減らす一方、掛け金は引き上げるといった苦渋の決断を繰り返しながらも、なかなか傷口が小さくならないのが現状だ。
     年金基金の仕組みに詳しい元行政マンによれば「仮に、3の運用益を出さないとマイナスになるとすれば、資産が100なら3%の収益率で済むところが、すでに70に目減りしている年金基金が同じく3を確保しようとすれば、同4.3%が必要になる」と説明。それが不可能なら資産の不足分が拡大する一方となるが、「年金基金の資産運用は短期的な投機目的とは意味合いが違う」側面もあり、株など〝一発逆転〟に手を出すわけにもいかない悩ましさがある。
     30を超える年金基金が過日、事務費の剰余金を外国投資信託など変動リスクの高い金融商品で運用した疑いがあることが厚労省の調査でわかった。省令では、元本割れのリスクがある商品で剰余金を運用することを禁じており、7月16日午前の閣議後の記者会見で田村憲久大臣は、地方厚生局を通じて指導する考えを示唆。別会計のため、年金資産に直接的な影響はないというが「改正法施行までに少しでもマイナスを挽回しておきたいのは関係者に共通した思いだが、絶対にやってはならない」と、ある年金基金の幹部役員は話す。
     厚労省が全国7ブロックで開いた説明会では、改正法の概要や解散までの流れ、今後のスケジュールと「よくある質問」について解説された模様。改正法の施行から5年以内の自主解散が条件となる「最低責任準備金の軽減化」「不足分の分割納付」といった特例に関し、「期待していたほどの新しい情報を得ることはできなかった」と話す出席者の一人は、「ここまで解散一辺倒だった国の反応が、中退共や確定給付企業年金、確定拠出企業年金などへの転換を促すトーンに変わった気がする」と首をかしげる。
     また、行政OBでもある年金基金の幹部も、「外堀は埋めてあるから、あとは自分(基金ごと)の判断。ただし、代行割れの毀損は許さないぞ…そう言われているようだ」という。
     一部では「違った制度へ移す場合、さらに特例が用意されるのではないかという憶測もある。年金基金の資産運用にともなう手数料などが大きな収益になっている受託機関とすれば、何らかの形で継続策を探るのが当たり前」といった意味深な声も聞かれる。

     
     
     
     
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