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    東京都貨物輸送評価制度 「着実」「継続」キーワード

    2013年9月26日

     
     
     

     東京都貨物輸送評価制度で三つ星評価を受けた事業者は、「やるべきことをやっただけ」と口々に話す。キーワードは「着実」「継続」。2013年度に三つ星評価を受けたエスエイロジテム(斉藤彰悟社長、足立区)、三急運輸(田代昌明社長、同)、大出運輸(山下義尚社長、同)、NTSロジ(笠原昭久社長、東久留米市)、西町運送(岩邉洽子社長、北区)、武井物流(武井一憲社長、台東区)の6社に話を聞いた。
     評価制度の申請には、東ト協が推進するグリーン・エコプロジェクト(GEP)で使用する「走行管理表」のデータをそのまま活用できる。ドライバーへの指導も、同セミナーの講義内容が主体だ。


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     エスエイロジテムは5年前からGEPに参加。タンクローリーがメーンのため、「一般トラックに比べ、重量オーバーや積み荷が満載になる不安がないので、荷物の重量、形状のバラつきが少ないことがデータに表れている」と、経営管理本部の大野達也係長は分析する。ふかし過ぎ防止のため、回転数は1500回以下と定め、アクセルの踏み方の指導も行い、月1回の安全会議で落とし込む。
     食品の梱包材料などの配送を行う三急運輸は、「運んでいるもの自体は重くないが、ルートはバラバラ」(鈴木芳夫総務部長)。しかし、高速道路を通行する際の速度を90キロまでと定め、できるだけ左車線を80キロで走行するよう指導し、8年で車替えをするなど、燃費効率アップのための工夫がみられる。
     燃費効率が悪いと言われる大型車でも成果が出ている。大型で40年、書籍などの配送を行うNTSロジ。燃費記録表を事務所に貼っていただけの7年前より、実走行燃費が約1.0キロ/Lアップしている。同社は、ドライバーが3か月ごとに目標を設定し、最終月に達成できたかどうか、燃費だけでなく事故の有無なども総合的にチェックするように改善。「燃費の向上は運転技術の向上でもある。きちんとドライバーを評価したい」と笠原史久専務。
     今回の評価を受けて、謝礼やクオカードなどをプレゼントしたという企業が半数以上あった。西町運送の岩邉社長が「エコドライブをすれば、企業として年間で何百万円の経費削減になる。一生懸命やった分、ドライバーは会社に貢献している」と話すように、あくまで社員の努力に対し、「ありがとう」の気持ちを伝える手段のひとつと捉えている。ドライバーも評価されていることを実感し、今後のモチベーションにつなげている。
     「やるべきことをやり、息抜きもする。真面目すぎるより〝良い加減〟がいいのでは」と岩邉社長。同社は中、長距離がメーンで、夜間の仕事もある。ドライバー全員が集まれる機会がないので、それぞれの仕事に合わせて社長が声掛けすることで対応する。GEPを始めて1年経たないうちに10%以上燃費が上がり、手書きで記録することの効果を実感。走行記録表のコメント、データ漏れがないかの確認はすべて社長が行う。アナログのタコグラフを使用するが、データ管理ができればアナログもデジタルも関係ないようだ。
     雑誌や出版・印刷物を扱う大出運輸は5、6人の班に分かれてミーティングを行っている。「環境」「輸送の安全」「安全衛生」など6項目について話し合うが、それには決まりがある。1テーマ10分以内で、余った時間は雑談しても良い。特徴的なのは、社員が主体で、社長はほとんど関与しない。「管理者は〝できる〟きっかけをあげる。それがドライバー間でのミーティング。いくら管理者が理屈を並べたところでドライバーは理解できない。ミーティングでの何気ない会話の中で、他のドライバーの運転のコツを知ることができるし、コミュニケーションもとれる」。
     同社ではGEP参加以前にも自社で10年ほど燃費管理をしていたそうだが、その取り組みだけで実走行燃費は約1.5キロ/L向上。GEP開始後は平均7.37キロ/L。中には、4トン箱車で9.0キロ/Lをたたき出すドライバーもいる。
     「ドライバーの速度意識と同時に、管理者の意識も大切」という武井物流の武井社長も、データ管理を徹底している。GEP初期から参加し、以来7年間、ドライバーの意識付けに活用。走行管理表には昨年度のデータが出るので、1キロ走るのに何円かかっているか「前月比」「前年同月比」の数値を記入している。会社目標値は8.5キロ/L。毎年0.1キロ/Lでも上げるよう努力を重ねてきた。
     新聞、家電をはじめ冷凍・加工食品なども配送する同社。夏場はどうしても冷凍・冷蔵車の燃費が上がってしまう。「6月から9月まではいかに落ち幅を狭めるか。あとは残りの期間を一生懸命やる」。さらに、「どういう運転をしているか指摘して、別の方法も示す。アドバイスを実践してどうだったか。結局、経営者が本気になって取り組み、それがドライバーに伝わるかだと思う」と話す。

     
     
     
     

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