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物流ニュース
桶本興業・桶本社長 「若き日の経験が底力に」
2013年10月28日
桶本興業(さいたま市南区)の桶本毅社長は、埼ト協副会長として業界活動に尽力する一方、父親である先代の後を継ぎ、今年で社長就任10年の節目を迎える。
22歳で大学の経営学科を卒業後、3年という約束で商事会社に就職する。「3年目、そこの社長に呼ばれ〝お礼奉公〟の話をされた」という桶本社長。仕事を覚えてやっと戦力になったのだから、その分、働いて今までのお返しをするものだ、という。「もっともだ」と結局、7年間商事会社で働いた。「1年目はとにかく勉強。ボルト1本から数千万円の機械まで、分厚いカタログに載っている商品を全部覚えた」という。
29歳で桶本興業に入社すると、ローリーを運転したり配車を組んだりと、運送業を一から学ぶ。1年が経った頃、荷主から、物流だけでなく製造までやらないかと打診されたが、みんな製造は素人。唯一、営業で機械に携わっていた同社長に白羽の矢が立った。「年上の管理職も多かった当時、実績を上げ社内で認められればとの思いもあったのだろう」と、当時の先代の胸中を推察する。
部長の肩書で別会社を任され、24時間稼働の製造ラインを担当した。「当時は人手不足。平均年齢55歳の従業員でやっていた」と振り返る。「欠員が出れば自分が穴埋めをする。24時間はざらで、36時間連続で働くこともあった」という。「経営者だったら、〝1枚いくら〟でする仕事を、いかに効率化して稼ぎ出すかを考えなければならない」と、人手不足のなかで効率よくラインをまわす方法を試行錯誤し、半年後には生産量を1.5倍にした。実績を買われて荷主から別のセクションも任され、結局、12年間手がけることになった。本社に戻ると、埼ト協の会長職に忙しい先代に代わって実務を全て取り仕切るようになる。
「環境変化が激しい時代。少しでも若返りを図って変化に対応していく必要がある」とし、昨年末から管理職を含め組織の若返りを図った。また、「若年ドライバーの人材確保を重点課題とし、年内にはアクションを起こす」という。具体的には、「各種高校へのアプローチ、それもターゲットを絞って高卒者を採りにいく」と同時に、中型免許の関係で「すぐにはドライバーとして働けない高卒入社の若者の受け皿となるセクションを社内に新設する」という計画で、その準備を進めている。「人材確保に向けてホームページもリニューアルしていく」と、対応策を進めている。
若くして社長や協会幹部など要職につく桶本社長だが、「近道はない」と断言する。「いきなりやれば、その分振り返って穴埋めをしなければならない。待ってはもらえないし、いつも崖っぷちで冷や汗をかきながら勉強してきた」と話す。
◎関連リンク→桶本興業株式会社この記事へのコメント
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