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    不正軽油を販売 あえて高値に設定

    2013年12月25日

     
     
     

     燃料価格が高騰し、運送事業者は1円でも安い燃料を求めている。最近のトラックは環境への配慮から、全てがコンピューター制御で性能はアップしている。しかし、質の低い燃料を使用すれば故障の原因になるとして、あまりにも安い燃料は避ける傾向があるようだ。
     大阪府堺市で建設資材や機械を輸送する運送会社では、使用していた新型トラックの噴射ポンプが立て続けに故障し、事業に大きな支障をきたしたことから、販売ディーラーに燃料の質を調べてもらったところ、灯油に含まれる成分であるクマリンが検出された。同社はSS数社と訪問販売の燃料会社の燃料を使用していたが、故障を繰り返す1台は、訪問販売の燃料を定期的に使用していたものだった。


     噴射ポンプの故障は燃料によるものとして現在、燃料販売会社に対し、修理費などの弁済を求めるか否か検討している。
     同社の経営者は「燃料価格はSSも訪問販売も似たり寄ったりで、さほど安くもないが、訪問販売の燃料を給油している車両だけが故障するのは、燃料の質が悪いのかもしれない」と話す。また、「繁忙期にもかかわらず修理のために車両が稼働できなかったことも大きな損害となるため、燃料販売会社と正式な話し合いを行う必要がある」と語る。
     また、同岸和田市の運送会社でも「一部の車両だけが黒煙を吐き出すが、年式的にも10年が経過している。コンピューター制御ではないので故障はないが、ドライバーからは黒煙を排出するため、以前から燃料が悪いのではと思っていた。車両の異常もないので問題視していなかったと報告を受けた。当社も堺市の運送会社と同じ燃料会社から購入している。親切で丁寧なところなので疑いたくはないが、軽油価格は安いわけではなかったので、何か騙された気持ち」と話す。
     燃料販売会社に、一般の価格で質の悪い燃料を販売する会社があるのか聞くと、「東北や北海道では燃料の凍結を防ぐためにクマリンが含まれない灯油を2割ほど混ぜるケースがある。燃料が凍結しない地域の灯油には、不正使用を防ぐためにクマリンが含まれている。不正軽油を販売する場合、一部ではあえて高値に設定しているケースもある。環境性能を考慮した新しい車両に不正軽油を使用すれば、故障を引き起こす可能性も高いため、一メーカー品しか使用しない運送会社も多くなってきている。価格だけで、この軽油は大丈夫と思い込むのは危険」と指摘する。
     「安い燃料は危険」と判断して避ける傾向を逆手に取った手口だが、不正軽油かどうか判断しにくいこともある。信用できる業者からの購入が、トラブル回避につながるのではないだろうか。

     
     
     
     

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