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    技術物流連合会 「技術特化」で実力勝負

    2013年12月12日

     
     
     

     家電製品や家具といった大型消費財を宅配する運送事業者が「技術の蓄積」というキーワードに集結している。一般消費者との接点を担う仕事が主戦場であるだけに、「CS」(顧客満足)の視点から発生する宅配技術に発想が行くのは自然な流れ。今回の動きは、そのCSを支えるためには実運送事業者が動き、結集することが大切、といった発想が加わっている斬新さがある。


     「一般社団法人技術物流連合会」(下原啓明会長、東京都豊島区)は、新公益法人制度に基づいて一昨年5月に設立された組織だ。家電、家具の宅配を担う北海道から九州までの実運送事業者17社が会員となっている。
     年に一度の「競技会」を昨年は5月に仙台で実施した。会員から選ばれた宅配作業員が、技術、接客、態度など5項目、35点満点で競う場だ。宅配先の家に見立てたモデル舞台に製品を運び込み、各社の経営者が評価点を付けていった。会場には荷主も招待した。下原会長は、「今後、どんどん競技会の規模・質を高めていきたい」と話す。
     下原会長自身、兵庫県で宅配会社「SSサービス」を経営する。こうした組織の構想は5年以上も前からあった。実運送としては運賃がどんどん安くなりジリ貧。CSを生む力も育てられない。旧知の地元運送会社役員と酒を酌み交わすなかで「よし、やろう」と事は運んだ。大手への対抗力の名の下、東京や東北の運送会社が参集した。
     設立から1年半経った現在、力を入れているのは会員の増強。対抗力を付けるため、そして信用を付けるためにも知名度上昇は必須課題だ。そのため、特別の委員会を同連合会に立ち上げ、家電メーカーの関係者を招へいした。
     大手からの嫌がらせなどはないのか。そんな問いに下原会長は、「大手と付き合いはあるが、既存の取引を侵すことはしない。しかし、新たな顧客獲得は競争。リピーターが返ってくるようなCSに努めていれば多少運賃が高くても勝負になる」と踏んでいる。
     「これからは人材不足も手伝って本当に技術の蓄積は難しくなる。技術のためのアカデミーを作っていく努力が必要だ」と話す。
     技術の蓄積――。ひと昔前、製造業でよく言われた言葉でもある。こうした連合体組織が技術の蓄積、ヒトの蓄積に取り組む必要性は、どこの産業界にも必要な時代。
     「同じような組織が作ってはつぶれているが、仲良しグループではやっていけない。年3回の総会、委員会、ホームページの更新など、常に次を見ていかないと」と自省を込めて話す。
    ◎関連リンク→ 一般社団法人技術物流連合会

     
     
     
     

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