Now Loading...
 
  • 物流ニュース

    北海道の専門家が「足りないもの」をアドバイス

    2014年4月21日

     
     
     

     燃料価格の高止まり、深刻な人手不足、行政処分基準の強化と法令順守の体制整備など、トラック運送業界を取り巻く環境は厳しさを増している。目の前の課題に対応することで手いっぱいのトラック運送業界だが、中長期的な観点から『足りていないもの』『より磨いていくべきもの』について、業界をよく知る北海道の専門家に指摘してもらった。


    031406.jpg
    ■沢田社労士「職場環境の改善」
     運送業界と介護業界をメーンとする社労士オフィスONE(札幌市中央区)の沢田寿晴代表は、深刻な人不足で、採用に頭を悩ます事業者が増えている運送業界について「欲しい時に、すぐに人が入ってくるという考えは間違い。急いで採用するのではなく、肝心なのは入社後にどれだけ長く働いてもらえるか」と指摘する。
     それを確かめる尺度として、「今、働いている従業員がどれだけ輝いているか。また、それを発見し、評価しているか」「成長の機会をどのようにつくっているか」という点を振り返ればわかりやすいと話す。これらが満たされていれば、「自分が大切にされていると思ってもらえる社内風土につながり、自分が大切にされていると思えば、相手も大切にするので、お互いが認め合える会社になる。そうすることで従業員が定着する会社になる」という。
     また、「運送業界の経営者は往々にして、『自分が従業員だったらこうして欲しい』といったことを、実際に取り組んでいない。自身は志高く動けるが、社員はどのようにすれば高いモチベーションで働いてくれるかといった点まで考えている経営者は多くはない。重要なのは給与だけではなく、成長や達成感を実感してもらうこと。経営者自らが人間力を高め、従業員のやる気を引き出すべき」と話している。
    031407.jpg
    ■久保行政書士「知的資産の活用」
     「財務諸表には表れない『知的資産(人材、技術、組織力、顧客とのネットワーク、ブランドなど目に見えない資産)』は企業競争の源泉であり、有形資産を増やす源泉。企業に固有の知的資産を認識し、組み合わせて活用することは運送業界でも有効。自社を見直し、知的資産報告書を作成してもらいたい」と話すのは、運送業界に強い久保法務経営事務所(札幌市中央区)の久保岳行政書士。
     知的資産報告書の作成は、金融機関にとっては「財務諸表に表れない顧客企業の経営資源や今後の展望を把握できる」「事業支援や経営改善など支援ごとに必要な情報を効率的に把握できる」というメリットがあり、運送会社にとっては「金融機関に自社の強み、経営計画を理解してもらうきっかけになる」「自社の強みや現状の把握ができ、自社のPR資料として活用することができる」というメリットがあると説明する。
     トラック運送業界特有の目には見えない資産として、久保氏は「色々な会社に出入りでき、そこから情報を得ることができる」という。ドライバーは、仕事先の会社の雰囲気、従業員の生の声を知ることができ、民間調査会社の調査員などが把握できないようなことも先方から話してもらったりする。「色んな会社の懐に入り、ほかでは知り得ない情報に接することが可能」で、そこで得た情報を組み合わせ、販路が厳しいというメーカーの声があれば別の取引先の卸会社を紹介し、中小規模の工場と弁当屋をつなぐといった「商社」のような動きがほかの業種と比べてやりやすいと説明する。
     また、トラックドライバーは、様々な業種を経験した人も多いため、この情報やノウハウ、人脈なども資産として生かせば、トラック運転者が所属している「コンサル企業」としての展開も可能だと話している。

     
     
     
     

    この記事へのコメント

     

    コメントをする

    ※コメントを投稿することにより、利用規約をご承諾いただいたものとみなします。

    内容をご確認の上、送信してください。

     
     
  •  
  •  
  • 「物流ニュース」の 月別記事一覧

     
  • 物流ニュース」の新着記事

  • 物流メルマガ

    ご登録受付中 (無料)

    毎週火曜に最新ニュースをお届け!!

    ≫ メルマガ配信先の変更・解除はこちら