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    551蓬莱 鮮度管理を徹底、店舗に1日4便配送

    2014年10月2日

     
     
     

     蓬莱(羅辰雄社長、大阪市浪速区)は、関西では「551がある時ない時」のCMで有名な大阪みやげを代表する企業。創業は1945年。中国語で桃源郷を意味する「蓬莱」を血のにじむ努力で成長させていった創業者は、ある日、ひと息入れようと手にしたタバコ(555=スリーファイブ)の数字が強烈に目に飛び込んできた。そして、数字なら万国共通で覚えやすく、本店の電話番号が××–551であったことから「味もサービスもここがいちばんを目指そう」という意味を込めて551蓬莱が誕生した。同社の総務部長である柏本政幸氏に話を聞いた。
     百貨店や駅構内、サービスエリアなどで61店舗を展開する同社。定番の豚まん、焼売、餃子の他にもアイスキャンデー、あんまんなども販売する。また、通販事業も20年前から展開しており、毎年10%前後の成長を続けてきたという。


     同社の輸送は、本社内にある工場から外部委託の運送会社が16台のトラックで、西は神戸・元町、東は草津、南は和歌山まで配送しており、1日4便ほど各店舗に配送している。満杯に積めば1日1便で届けることも可能だが、同氏は、「なぜ551を選んでもらえるのかと考えたときに他社と差別化を図る必要があると思い、鮮度を一番のテーマにあげた」と話す。
     もし鮮度やおいしさを追求せず、利益を追い求めれば、工場で豚まんを製造し、一度蒸してから、冷凍して店舗に送り、再び蒸して販売すればいいが、同氏は、「会社の都合で2回蒸したモノをお客様に販売したくない。味の違いも作っているプロには分かる」とし、「当社の豚まんは、すべて店舗で人の手によって作られている。機械で作るより人の手で作った豚まんの方がおいしいから。それは通販の豚まんであっても同じで、人の手で作られている」と、手を抜かず、人に見られていなくても正直に仕事をする同社の姿勢がある。
     また、昨今の食品偽装や衛生管理の不十分な体制の発覚によって、食の安全を問う声が強まっているが、同氏は、「安全は空気みたいなモノ。当たり前のことと考えてやっている」とし、「安心・安全、おいしさにこだわって、物流や製造もコストがかかる方を選んでいる。鮮度を提供するために必要なコスト」との考えを示す。
     配送回数の多さは、今欲しいだけの注文をスピーディに送ることが出来るので、店に残れば廃棄しなければならず、品切れすると百貨店から何とかして欲しいと言われる同社にとって、在庫管理の面でも効果を発揮している。「瞬発力の向上に努めており、機会損失やロスは他社より極端に少ないはず」(同氏)。
     委託会社のドライバーは551にタイムカードを置いて、2トン車16台で配送しており、店舗数は61店舗あるため1台あたり4店舗分を積み合わせている。2トン車で配送するのは百貨店の荷受け場の天井の高さの関係からと話す。また初めは自社で配送を行っていたが、会社が大きくなっていったことや、「餅は餅屋」ということもあり、運送会社に委託することにしたという。委託した当初は、自社のドライバーが半分、委託先が半分という状態であったが、現在、自社でドライバーをしていた人の多くが会社に残り、配送以外の業務に従事している。ドライバーからの転身で製造ラインの役職者にまで出世した社員も2人いると話す。
     委託会社には蓬莱グループの一員として、また同社のおいしさ・鮮度へのこだわりを通じ、製造や物流へとつながる思いを「ホウライズム」と表し、理解してもらっている。
     最後に、「お客様の声で最近、味が落ちたな、小さくなったな、という声がたまに当社に寄せられるが、多くが年配の方からで、子どもの頃の感覚では豚まんが大きく感じられ、大人になって少々モノ足りず、もっと食べたいと感じるのは当然のことと思っている。また、良い思い出は美化される傾向があるため、子ども時代に他においしい物が少なく、とてもおいしかった印象が残っているのではないか」とも話す。
     同社は時代を経ても味を変えることはなく、むしろ時代の進歩によって鮮度の向上が物流によって大きくなっている。その上で、「ライバルは一昔前の自社だと自覚している。時間を超えて、その当時の良い思い出の味のようにおいしいと言ってもらえたら会社も安泰だと思う」「創業者の『お母さんが子どものために料理を作る気持ちをまねすればいいんだ。それを実直に守っていれば、お客様に喜んでいただける味を再現できるよ』という言葉を信じてやっていきたい」(同氏)とした。
    ◎関連リンク→ 株式会社蓬莱

     
     
     
     

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