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    運賃交渉 実勢の運賃は「西低東高」

    2014年10月22日

     
     
     

     燃料高騰や人材不足を背景として、全国的にトラック運賃が値上げムードを示しているのは確かだ。本紙前号でも報じたように、各地で多くの成功例が聞かれるようになっているが、相手がウエートの大きな取引先となると現実は厳しいのが実情。「やめてもいい」という開き直りがなければ交渉のテーブルにつくのは難しいのかもしれないが、さらに運賃交渉には東西での温度差もある様子。かねて〝西低東高〟といわれるトラック運賃だが、シビアな西日本地域ではトラック事業者の値上げ要請を拒否した荷主が自前で白ナンバーを確保するケースも出る有り様。関西以西の現状を追った。
     「売り上げに占める割合が数パーセント程度であれば、切られてもいい覚悟で値上げを切り出せる」と話す兵庫県の運送社長は、その開き直りで小口の取引先の大半で値上げ交渉に成功を収めた。ただ、月間で2000万円ほどの運賃をもらってきた荷主にはモノ申せない状態が続いていたという。


     ところが過日、その大口の建設資材メーカーから運賃アップの話が舞い込んだ。「1%にも満たない値上げ。完全に先手を打たれた」と社長。先方の申し出を断ることもできず、「満足できるはずの数字ではないが、もう何もいえなくなった」と悔しがる。
     一方、食品輸送をメーンに手掛ける広島市の社長は現在、売り上げの約30%を占める同業大手の仕事をやめるつもりでいる。「創業時から取引させてもらっているが、この35年間で一度も運賃が上がったことはない」と打ち明ける。
     さらに社長を憤慨させたのは、両社の長い付き合いを知らない若い担当者の「下げたこともないですよね?」という一言だったらしい。「軽油の値段は当初の3倍、いや4倍近くになっているし、車両価格も跳ね上がっている。それにデジタコやドラレコ、蓄冷クーラーなどの後付け装置も多い。同業者でありながら、そんなことを理解しようとしない」と下請けからの三下半を決めた。
     同じく食品が主力の岡山県の運送会社の場合は2年ほど前、燃料価格の高止まりを想定して主要荷主との運賃交渉を開始。「希望通りではなかったものの、およそ8%のアップを受け入れてくれた」(取締役)と喜んだのも束の間、消費増税によって元の運賃レベルに戻ってしまった。
     「3万円だった運賃が3万2400円に増えていなければ、運賃値下げになっていたかもしれない」。増税にともない、荷主から「(支払っている運賃を)消費税込みの扱いにしてもらいたい」との要請が入ったことで、3万2400円にアップしたはずの運賃は実質的に以前の3万円に戻ってしまったのだ。
     ただ、荷主も舌を巻くような交渉術で臨む事業者も存在する。雑貨を扱う兵庫県の運送会社では細かなデータを示すことで、「平均すれば1割程度だが、なかには30%近い運賃アップになった例もある」(社長)という。
     「例えば大型トラックに1300ケースを積むとして、その中の製品1個の単価に1円を運賃上昇分として組み込んでもらえれば…という感じ」。兵庫から東京まで9万円足らずだった運賃を交渉の結果、12万円に近いレベルにまで引き上げることができたという。
     とはいえ、全体的にはシビアな荷主も依然として少なくない。昨今のトラック不足によって以前のように荷主も〝上からの強気の姿勢〟を貫くことは難しくなっているものの、なかには「トラック事業者からの運賃値上げを一蹴し、自前で白ナンバーを用意するケースも見られる」(食品などを扱う兵庫県の事業者)という。さらに一部では、そうした荷主名義の自家用トラックを管理し、オペレーターを送り込む格好で費用を取るアウトソーシングビジネスも登場しているようだ。

     
     
     
     
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