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物流ニュース
NAA 導入済みシステムの年内運用目指す、2024年問題対策協議会
2024年5月30日
成田国際空港会社(NAA)は5月23日、同空港貨物管理ビルで第3回となる、成田空港で航空貨物を取り扱う事業者による「2024年問題対策協議会」を開催。これまで開催されてきた同協議会では、関係各所の取り組みや課題が話し合われ、問題の可視化と共有を行った。それから具体案として現在輸出を対象に導入済のトラックドックマネジメントシステム(事前受付・車両呼び出しシステム)を、輸入でも導入する案を提案、今後具体的に導入に向けた検討を進めていくところまで話し合われた。
今回は前回に引き続き、「輸入版トラックドックマネジメントシステム」に焦点を当て、実際の運用方法や概略について話し合われた。
同システムはWebベースとアプリでの運用とし、導入は年内を目指す。
具体的な利用方法については、まず、引取予定の貨物情報(航空貨物運送状番号等)を入力する「搬出予約」を行う。続いて行う「来場登録」では、引き取りに来る車両・ドライバー情報を入力。次に、ドライバーが行う「引取り時間予約(スロット登録)」。1時間枠で予約できるトラック台数が決まっており、ドライバーはアプリ上で引取り可能な枠を予約する。このスロット制でトラックの一極集中を避けることができ、平準化を図るという。そして、トラック待機場入口に設置されたカメラで行う「車番認証」で初めて、呼出しの対象となる。
同協議会の宇野茂会長(NAA執行役員営業部門貨物営業部長)は、「それぞれの立場を主張するというよりは、皆でこの問題を解決していくという流れ。一つ方向性が出せたので、そこは成果と感じる」と話す。続けて、「システムについて進めていきながら、今できる解決策に取り組み、外、荷主向けに訴えていくことに関しては、関係者間で調整していく」とした。
今回の第3回協議会を一区切りとし、今後はこれまでの同協議会メンバーの固定を必須とせず、状況に応じて形を変え話し合いの場を設けていくとした。「正直これまで、関係者間で腹を割って話し合う機会がなかったのは事実」と宇野会長。その理由については、「それぞれの事情を知らずにビジネスをしているのが一般的で、共通の問題を解決するとなると、各々が言い合いをして終わることが多かった」とし、「航空業界は関係者が多い中、全体を俯瞰して見ている人が少ない。しかし今回、俯瞰して意見を出し合えたのは大きな進歩だと思う」と述べた。
宇野会長は空港全体の人手不足についても言及し、「ドライバーの問題でもあるが、空港の人手不足の問題としても取り組んでいく」と話している。
◎関連リンク→ 成田国際空港株式会社
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