トラック運送事業者の高速道路の利用は、ドライバーの労働時間の短縮には必要不可欠。国交省と高速道路各社で深夜割引の見直しが進められているが、運送事業者の要望は反映されそうにない。高速道路の深夜割引の見直しで、運送事業者の要望がどの程度かなうものなのか・・・、ネクスコ東日本（由木文彦社長、東京都千代田区）に話を聞いた。

まず、「どうして深夜の時間帯だけなのか」という疑問から、「緑ナンバーの運送事業者には全線・全時間帯２割引の適用は可能か」と質問。ネクスコ東日本は、「高速道路料金については、政策課題に応じて料金割引を導入している」とし、「深夜割引は、一般道の沿道環境を改善するため、交通容量に余裕のある高速道路の夜間利用を促進することを目的として実施するもの」と回答した。

その上で、「事業用車両を対象としたさらなる割引の拡大等については、新たな財源が必要となり、高速道路債務の返済に影響が生じることや、道路構造物に与える影響等に応じた公平な負担の観点から、割引は困難」とした。

また、「物流事業者への割引については、ＥＴＣコーポレートカードの利用車両を対象に、曜日や時間によらない大口・多頻度割引を行っており、ＥＴＣ２.０を搭載する事業用車両には、最大割引率を４０％から５０％に引き上げる措置も実施している」としている。

「今後、再度の見直しが行われることがあるのか」との質問に対しては、「国交省国土幹線道路部会の中間答申のなかでも、料金割引について定期的かつ適切に評価、見直しを実施していく必要性が示されていることから、新たな深夜割引導入後の効果検証に努めていく」とした。