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    運賃交渉切り出せない事業者 自社に合った対応策を

    2015年2月2日

     
     
     

     「仕事を切られるのが怖くて口にも出せない」──。荷主との付き合いの中で、〝運賃交渉〟に頭を悩ませている運送事業者は少なくない。ト協では各地で「原価意識向上実務者セミナー」を実施し、適正運賃の収受に向けて働きかけているが、運送事業者が満足する運賃にはほど遠いというのが現状だ。
     運賃交渉は基本的に、運送事業者が個別に行うもの。しかし、原価計算をしっかりと行わず、やみくもに「運賃を上げてくれ」と頼むだけで納得し、値上げしてくれるような荷主は皆無だろう。このような場合、運送事業者はどこまでト協を頼れるのだろうか。
     業界団体が個別の運送事業者に代わって運賃交渉することはできるのだろうか。公正取引委員会によると「どういった交渉かにもよるが、業界団体が交渉することによって、価格が均一化されると違法になる」という。また、「業界団体が『あなたの会社なら、このぐらいの運賃をもらわないとやっていけない』と指示することも、価格が均一化される恐れがあり、違法になる可能性がある」と話す。


     また、「運賃を出す計算方法」をプリントして渡すことも「精密な計算方法だと答えが見えてしまう。これもアウトの可能性がある」とし、「あくまでも運賃交渉は企業が個別でしていただくもの」と説明する。
     ただ、「同じ荷主で働く〝小さな〟運送会社数社が集まって交渉することなどはセーフの可能性も残る」。ただし、「交渉の場が大きくなると違法になってしまう。あくまでも競争が制限されない程度の問題」と話す。
     しかし、届け出運賃と実際の運賃に差が出ているのは周知の事実。その差を埋めるためにも、荷主との運賃交渉は避けては通れない。中部運輸局では「ウチはあくまで届け出運賃しか把握していない。個別の運送事業者が、どのような対応をしているのかはわからない」という。
     行政が把握していない以上、行政サイドの救済は当てにできない。どのような〝運賃交渉〟をすればいいのか、自社に合った対応を考えなければいけないようだ。

     
     
     
     

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