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    進まない書面化 中運局の取り組みと事業者の声

    2015年3月4日

     
     
     

     運送事業契約の書面化が義務化されたが「役に立った」という声を聞かない。中小・零細の運送事業者からは、むしろ「何もしていないというのが実情」という声を多く聞く。「スピードが求められるスポットで書面契約など、していられない」「社長自身もハンドルを握っている中、書面化に関する人員を割くことはできない」という事業者は少なくない。書面化に何がネックになっているのか。
    中部運輸局が昨年7月に実施した「書面取引の実態」アンケートでは、「書面化推進ガイドラインの認知度が高いほど、書面化の進捗度も高い」とし、「保有台数が多くなるほど認知度が高くなり、また、ト協に加入している事業者の認知度は約58%と未加入事業者の約28%に比べ高い」と指摘している。また、「7割以上の運送で書面化が実施されている」割合では、「真荷主の物流子会社」は約64%、「利用運送事業者」は約50%となった。まったく実施されていないのは、「真荷主の物流子会社」では約8%にとどまった。書面化が行われない理由として「配送先・ルート・輸送量にほぼ変化がない」「短期のスポット的運送では口頭契約」が多いようだ。
     このアンケート結果を受けて、中部運輸局の担当者は「まだまだ周知が必要であり、認知度が低いと感じている。これからも継続して会議や説明会を行っていきたい。ト協などの関係各所との連携も重要になってくる」と話す。更に「電話・メール・ファクスなど取引で使われるツールは様々。利用運送事業者も含めて、トータルに周知徹底しなければならない」としている。
     具体的な取り組みとして、昨年11月にも各運輸支局では、燃料サーチャージや書面化ガイドラインを含めた説明会も実施しているので、今年も行っていく予定。運輸局としては昨年、愛知県の利用運送事業者100社に文書を送付し、トラック事業者を取り巻く現状として説明会を実施した。
     また、12月末頃に各支局から自治体に協力要請をしている。今までは、一般企業や商工会議所などに協力を要請していたが、今回は自治体に初めて要請した。自治体が荷主になるケース(給食や一般廃棄物)もあるので、トラック事業者の現状を踏まえた適正な取引を意識した契約になってほしいという意味合いがあるので、「継続して、しっかり取り組んでいきたい」とコメントしている。
     中部地方の運送事業者は「正直、何もやっていない。いままで通りのやり方で問題はなく、契約を書面化する人手もない」という。別の運送事業者も「書かないと仕事をもらえないという場合は別だが、こちらからお願いすることはない。私自身もハンドルを握ることが多く、したくてもできないということもある」という。


     名古屋市港区の運送事業者は「直接荷主と取引を行っているので、書面化についてはしっかりと行っている」と話す。書面化の内容については、「運送委託者・受託者、連絡先、運送日時・場所、運送品目の概要、支払い方法など」と多岐に渡っている。
     しかし、書面化の徹底と言っても、難しい面もあると話す。「付帯業務について、積み込み・積み下ろしやフォークリフトによる作業など、今では多くの業務が運送事業者に求められるが、それらをどこまで書面化すべきか。また、3次・4次下請けにまでなってくると、書面化どころではなくなってくる。大手からの下請けで請け負っている事業者は、電話一本で仕事を行っている。だからこそトラブルも増えるのだが、多くの手間がかかる書面化を、その業者が求めているという訳でもない」という。
     同県の別の運送事業者社長も「短期のスポット運送は口頭契約。輸送量や輸送ルートが変わらないことも、書面化していない理由」と話した。
     中部運輸局の書面化フォローアップ調査では、書面化にあたっての要望として、次のような事業者の声があげられた。「荷主に対して義務付けしてほしい。付帯作業や待機費用を曖昧にして支払わなくていい方向にしてしまう」「書面化で運送契約の詳細が明確になることは意味深いが、発荷主と着荷主の関係上、全てを書面化することは極めて困難」「利用運送事業者も書面化する指導をしてほしい」――。事業者の声としても、書面化については望ましいが、一筋縄ではいかないという声も少なくない。

     
     
     
     
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