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物流ニュース
標準引越運送約款改正検討会 解約手数料など見直し
2015年5月7日
国交省は「標準引越運送約款改正検討会」を設置し、約款の改正に向けた検討を行う。7月をメドに改正案を作成し、パブリックコメントを行った後に今秋に告示を改正、28年1月の施行を目指す。
昨年12月、全ト協(星野良三会長)から自動車局長および物流審議官あてに、昨今の社会情勢の変化も踏まえた標準引越約款の改正要望が提出されたことを受けたもので、3月16日に開かれた第1回会合には、学識経験者、弁護士、消費者側の代表を招集。座長に野尻俊明流通経済大学教授を選任した。
検討課題として掲げられたのは(1)積み合わせによる引っ越しの適用の可否(2)解約手数料など(3)責任の特別消滅事由と時効の関係――。
積み合わせによる引っ越しの適用の可否についての要望は、単独世帯数の増加が背景にある。トラックの貸切による引っ越しが減少し、今後、1台のトラックに複数を積み合わせる引っ越しが増えていくことが予想されるが、標準引越約款では貸切のみが適用範囲で、積み合わせによる引っ越しが対象外となることから発生するトラブルもあった。そこで、トラブルを回避するためにも「積み合わせによる引っ越しを約款の対象とすべき」というのが今回の要望の内容。特別積み合わせではパック料金となっていることもあり、運賃や手数料が明確に示されていない場合がある。これを約款の中でどう扱っていくのかも今後の検討課題としている。
現状の約款では、解約手数料は運賃のみを対象としていたが、全ト協は作業料を含めた上での見直しを要望。平成24年10月の労働者派遣法の改正もあり人材確保が困難な状況で、キャンセルになった場合の補償も高くなっていることから、見積書に記載した運賃+手数料の合計額のうち「前々日」は20~30%以内、「前日」は30~40%以内、当日は70~100%以内とするよう要望。これについて同検討会では、今春の引っ越しシーズンでデータを取り、キャンセルによる損害を検証していくこととした。これに伴い、申込者に対して行う見積書の記載内容の変更の有無などの確認を「見積書に記載した荷物の受取日の2日前から3日前」と改めることも要望している。
また、責任の特別消滅事由と時効の関係については、一部の消滅と全部の消滅で適用される条文が異なるため、両者を一つの事項にまとめるとともに起算日の表現を統一するなど消費者にわかりやすい表現にする必要性があるとした。
標準引越約款は平成13年に大幅な改正を行って以降、大きな改正・見直しは行われていなかったが、その後、インターネットによる一括見積りなどを通じて引越事業者を選択するなど、消費者ニーズや引越事業者が提供するサービス内容も多様化していた。
◎関連リンク→ 国土交通省この記事へのコメント
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