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    荷主の理解得難い現状 労働時間改善へ何度も交渉

    2015年6月5日

     
     
     

     取引の属性から、労働時間の短縮や物流の効率化には荷主の理解が必要との認識が、トラック業界では常識である。しかし、この認識がなかなか荷主へ浸透していかないのも事実だ。例えば、メーカーであれば生産が本業であり、物流に関しては付帯業務といえ、そこに力を注ぐというよりコスト削減という力が働く。その結果、現場では荷主の事業者に対する無理強いも見られる。仕事を受ける側の問題もあるが、立場的に弱い方が割を食うことが歴然だといえ、どうしても事業者側が泣きを見るケースが多くなる。こうした中で、荷主の理解をどう得ていくのか。対応の難しさに苦慮する事業者の姿を追った。
     食品輸送を手掛ける千葉県の事業者は、「コンプライアンスの徹底は理解できるが、長時間労働の改善に関しては、現状では無理」と嘆く。同社社長によると、食品卸である荷主が依頼してくる仕事内容そのものに問題があるという。配送依頼書には、荷物の下ろし先が記入されているが、「そもそも1人のドライバーでこなせば、12時間から13時間はかかる仕事」と同社長は指摘する。その上で、「車庫から出てまた車庫に戻ってくることを考慮すると、それに1、2時間が追加される。1日の拘束時間が13〜14時間が当たり前になっている」とこぼす。


     労働時間を改善するにはドライバーを交代勤務にするしかないが、そこまでの運賃をもらえていないため不可能だという。荷主の担当者とは何度も交渉しているそうだが、「そのうち何とかするから」とはぐらかされ、いまだ改善の兆しは見られない。仕事を断れば問題は解決するが、断れば会社が立ち行かなくなることが分かっているだけに、そうもいかない。「ドライバー確保が難しくなる中で待遇の改善は不可欠」というものの、「理解を得るまで粘り強く交渉していくしかない」のが実情のようだ。
     一方、首都圏の事業者は労働時間の改善に成功し、それまでの長時間労働から解放された。工場で生産された製品を夕方に積み込み、翌朝配送する仕事を請け負っているという同社。これまでは生産状況によって荷待ち時間が発生していた。同社長によれば、4、5時間は当たり前で、ひどい時は翌朝まで積めないこともあったという。このままでは長時間労働が改善されないと、同社長は何度も交渉したが、話は担当者レベルで止まってしまい、その先へは進まなかった。しかし、ある時、工場の責任者が同社のトラックが待機している現場を見たことが問題解消への突破口となった。
     「工場長が、待機しているトラックの中をのぞき込んで、寝ているドライバーを見つけたことで、『どういうことだ』と問題になり、そこから一気に改善の方向に向かった」という。その結果、夕方の積み込みの時間を制限し、それ以降にずれ込んだものは荷主側が積み込みを行うこととなった。夕方の決まった時間までは、同社が業務を遂行するが、その時間が過ぎれば同社の責任は回避される。待機するトラックをそのまま待機場所に置き、ドライバーは解放される。代わりに、無人となったトラックの荷台への積み込みは荷主側が行う。翌朝、同社のドライバーが、積み込みの終わったトラックに乗車し、配達するという仕組みだ。こうすることで同社の荷待ち時間による長時間労働は解消された。
     「荷主の理解を得られたことが大きい」と、同社長は話すが、長期にわたる交渉の結果である。荷主側では、「なぜ、運送会社の仕事を我々がやらなければいけないのか」という不平不満が聞かれるという。そのため、「今の仕組みが、このまま継続できるのかはわからない」と不安も抱えているようだが、そうしたことも踏まえ、「立場が違うので、なかなか荷主の理解を得るのは難しい」と指摘している。

     
     
     
     
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