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    フェリーの拘束時間 「見直し必要では」

    2015年7月29日

     
     
     

     トラックドライバーの労働時間・拘束時間の違反に対する罰則が厳しくなり、多くの運送事業者は改善基準に規定された労働条件の順守を強く意識するようになった。しかし、「長距離運行で十分な休息期間を与えるのが難しい」といったケースの払拭は簡単ではなく、とりわけ本州便を運行する北海道の運送事業者にとって「フェリー乗船時の2時間の拘束時間」が大きな問題となっている。
     先に開かれた北ト協の総会で、伊藤昭人会長(シズナイロゴス)は「本州便ではフェリー乗船時の拘束時間が問題になっている。この拘束時間を、どうにか休息期間にしてもらえないかと各所に要請している。そうしてもらえれば、東京や仙台などに行く時、有効な人員の配置ができるようになる」と述べた。


     改善基準では、運転者が勤務中にフェリー乗船する場合、「2時間(乗船時間が2時間未満の場合には、その時間)は拘束時間として取り扱い、その他の時間は休息期間として取り扱う」と規定。フェリーを使うと、自動的に「2時間が拘束時間としてカウント」されるだけではなく、乗船前の手待ち時間も多くの場合、拘束時間となり(4時間以上なら分割休息として休息期間に組み入れることは可能)、また、乗降船時にトラックを運転する必要があるため、連続した休息期間がとれず、拘束時間がよりかさむ。これにより、改善基準の順守が難しくなってしまう。
     全ト協が昨年10月以降、北海道、東北、九州の事業者に対し実施したヒアリング調査では、「乗船後2時間を拘束時間と見なすのは長すぎる。乗船後は車のエンジンを止めて、ドライバーはやることがない状態。最近の新船はトラックドライバー用の個室が用意され、ゆっくり休むことも可能」「乗船中の拘束があるとすれば、フェリー到着前の15〜30分程度」といった声があがった。また、「フェリーで休息期間を成立させようとしたら、北海道から関東へ行く車は仙台か大洗を経由するしかない。時間はかかるし乗船料金も高い。しかし上乗せ運賃をもらえる訳でもない」との意見も出た。
     ドライバーはフェリー乗船時、どのように過ごしているのか。同ト協が昨年12月から今年1月にかけて長距離運行を行うドライバーを対象に行ったアンケート調査では、「業務から解放され、完全に自由に過ごしている」との回答が63。4%となり、「一部の時間は拘束される」は6.5%という結果だった(残りは無回答)。また、「拘束される」と回答した者のうち、業務に携わる時間の長さを聞いたところ、回答は2件で平均30分だった。サンプル数は限られる(回答者123人)が、「拘束されている」と意識しているドライバーは1割に満たず、6割以上のドライバーは「休息期間と同様に捉えている」というのが実態といえる。
     乗船時におけるドライバーの行動様式や疲労度、健康に与える影響などをさらに調査した上、安全や健康面への悪影響が見られないようであれば、拘束時間の規定を見直してもいいのではないだろうか。

     
     
     
     

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