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物流ニュース
髙取ロジスティクス 髙取取締役 「柔軟性で荷主に対応」
2015年10月13日
人材不足など、物流業界を取り巻く環境の変化からトレーラの維持管理が難しくなっているが、こうした逆風にも、たくましく取り組む髙取ロジスティクス(髙取良雄社長、東京都港区)。運送、保管、通関のハード面の充実によって他社との差別化に成功している。その背景には、荷主の成長とともに対応できる柔軟性があった。
同社の発祥は海上コンテナのトレーラ輸送。現在は東新トレーラエキスプレスと丸勝ラインの子会社を有し、東京・横浜・清水港を中心に輸出入貨物を扱う。静岡の地で倉庫業を始めたのは、その後だ。
危険物の取り扱いを倉庫事業の中核に据え、半導体の原料となる危険物の溶液などをメーカーに卸したり、輸入された危険物の検品作業を行っている。「もともとは印画紙も取り扱っていたが、だんだんと危険物をメーンに任されるようになり、危険物中心に建て増しをしたり、商品特性に合った最適な状態で保管できるよう空調・冷蔵・冷凍設備を整えるなど、形態を変えてきた」と髙取亮太取締役はいう。こうした専門性と、清水港と名古屋港の中間に位置する好立地に、荷主からも使い勝手が良いと好まれているようだ。
品質管理のISO取得は、同社の転機となった。「かつては荷主もある程度、品質管理に寛容で、当社内に甘えがあった。最近では温度管理が厳しくなり、7度プラスマイナス1度以内などと細かく伝えられる」。社会の移り変わりとともに、荷主の品質管理に対する意識の高まりを感じ、2004年には芝浦・静岡の全社で品質管理のISOを取得。仕事の手順を確立することで、荷主から受けた仕事をきちんとした企業体として遂行するという意識を社内で醸成できたことで、荷主へのアピール材料となった。
排ガス規制、不安定な軽油価格、運送業界の長年にわたる低迷を受け、海コン輸送会社の自主廃業、保有台数の減少が進む中、自社ハードを充実させる路線を取った同社。「トレーラを持たずに当社で通関業をやる意味があるのかと自問自答したが、答えは『NO』だった」と髙取取締役。「トレーラがつかまらず四苦八苦されているお客様は多い。当社で通関をきることで、トレーラが確保しやすくなる。トレーラは運行管理が厳しい部分もあるが、うちだからこそできる仕事。大事にしていきたい」と話す。
その方針を元に、子会社の東新トレーラ・丸勝ラインでは順次、代替えを進めており、現在ヘッドは46台、シャシーは100台保有している。今後も需給バランスに応じて増車体制を構築する計画だ。
倉庫業青年経営者協議会(倉青協)では歴代の会長を支え、現在は組織担当の副会長として、会員が倉青協を有益に使ってもらえるようサポート。経営者同士の交流・勉強だけでなく、倉青協のネットワークを活用したビジネス展開にも積極的で、同社が倉庫を保有しないエリアでは他の会員企業に保管をお願いする一方、同社の危険物倉庫や、東京での通関、ドレージ業務を利用してもらうなど、ビジネスパートナーとしても、倉青協は大切な組織となっている。
◎関連リンク→ 髙取ロジスティクス株式会社この記事へのコメント
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