「関係が良好な元請けに、協力会社に回すことを加味した運賃を提示したところ、その金額より少し多く手数料を付けてくれたので、その上乗せしてくれた分のみをもらい傭車に出した」と切り出すのは、大阪市の運送会社の配車担当者。

「後日、元請け担当者から『えらい安い運賃で出てるけど、いくら抜いたんや』と連絡があった」。確認すると、傭車に出した運賃から大幅に値引かれた状態で求荷・求車サイトに出ていることが判明。「間に何社が噛んでいて、どこの会社が大幅に抜いているのか分からず困っている」という。

同担当者は、「以前は１次、２次請けが大幅に抜いて下請けに回すケースが多かったが、近年は間に入った運送会社や水屋が大幅に抜くケースが増えている。実運送を行う会社に適正な運賃を渡せるよう設定しているのに、見ず知らずの会社に抜かれることに憤りを感じる」と語気を強める。

同市内の別の運送会社も、「実際に走る会社に十分な額が渡るように出したのに、４万円近く抜かれて戻ってきた。１０社以上は噛んでいないとあり得ない額で流れてきて驚いた」と語る。

「一部の事業者による大幅な中抜きがあるため、適正な運賃で仕事を回したくても回せない」とし、「こういった問題は早急に規制すべき。『中抜き額は全体の２％まで』などのような上限を設定しないと、いつまでも実運送を行う会社だけが苦しむことになってしまう」と訴える。