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    ムロタ社会保険労務士事務所 室田氏 「時間管理は厳しくない」

    2016年3月10日

     
     
     

     運送業界では、就業規則・労働契約書と実際の乗務内容とが違うことによる、会社とドライバーのトラブルが増えているが、「時間管理が何より大切。決して難しい話ではないが、正確に算出する努力をしていない事業主が少なくない」と話すのは、ムロタ社会保険労務士事務所(大阪府東大阪市)の室田洋一氏。
     同氏は30年以上に及ぶ郵便輸送での労使問題、労働安全衛生、勤務管理の実績を持ち、平成24年7月に日本郵便輸送を退職。翌25年、社労士試験に合格(27年5月に特定社会保険労務士に付記登録)、26年に「運送事業の労働時間管理専門コンサルタント」として同事務所を開設した。
     「運送事業の時間管理は難しくない」「時間管理は会社の仕組みを変えることができる」を基本理念とする同氏。「特に中小の運送会社は元請けや荷主の優位性もあり、長時間労働が当たり前となっており、誰もが労働時間(残業時間)管理は不可能だと思っている」と指摘し、「他方で、就業規則は法的な強制もあり、専門家に頼み、現場に目を向けず形だけは作り、労基署に届けているのが実態」という。


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     その結果、従業員に就業規則を隠したり、就業規則との違いを申告されるなど、多くの問題を抱えることになるとし、「残業手当、深夜手当、有給、最賃などを守れないのは、労働時間(残業時間)管理ができていないから。多くの運送会社では賃金を売り上げ実績に対する歩合給にしていることもあり、労働時間(残業時間)を反映した賃金にはなっていない」と同氏。「そもそも労働時間(残業時間)の管理ができていないから、時間外労働時間や深夜労働時間に対して支払われる手当や、時間給の最低基準を定めた最低賃金の算出基礎自身が存在しない」といい、給与明細でいくら振り分けても、時間管理ができていない以上、違法性を免れないと警告する。
     「労働時間の管理は避けて通れないのは理解しているが、やり方が分からないという事業主の声をよく聞く」と同氏。運送事業の時間管理に必要な条件として、事業主の本気(仕事の仕組みを変えられるのは事業主のみ)、従業員の意識改革、そして外部からのコンサルティング(法的知識と運送の仕組みの双方の理解が条件)を挙げる。
     同事務所では、「改革の熱意を持つ会社様と力を合わせて、現労務費の範囲内での適法な賃金・労働時間(残業時間)の制度導入をめざす」としている。
    ◎関連リンク→ ムロタ社会保険労務士事務所

     
     
     
     

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