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    年々増える労働災害 昇降機での事故

    2016年5月18日

     
     
     

     トラック運送業で年々増えているのが労働災害だ。労働環境の悪化や労働災害の多さが、人材不足の改善や運送業のイメージアップを阻害しているとも言われている。そんな中で、昇降機に対する考え方の相違が、思わぬところで事故のリスクを生んでいるようだ。昇降機について改めて話を聞いた。
     労働災害の事例で多いのが、「機械などにはさまれる」事故。平成26年の労働災害発生状況では、機械などによる「はさまれ・巻き込まれ」による死亡者は151人と、原因別に見ると第3位だ。その中でも多くの業種で、業務用・貨物用のエレベーターでの事故が後を絶たない。
     今年に入り、神奈川県川崎市のタイヤ販売店で、業務用エレベーターを点検していた業者がエレベーターに挟まれ、その後、死亡した。昨年では、兵庫県内の和菓子店で従業員が貨物専用のエレベーターに上半身を挟まれ死亡した事例もある。


     平成25年4月には相次ぐ事故を受けて「垂直搬送機の非定常作業における労働災害防止対策の徹底」について通達が出されているが、それ以降も事故はなかなか減っていないようだ。
     そもそも、「昇降機」の種類が定義しづらいという問題がある。昇降機と呼ばれるものにはエレベーターや小荷物専用昇降機、簡易リフトなどが含まれる。これらを使用するには建築基準法と、適用対象の事業所の場合は労働安全衛生法を満たす必要があるが、二つの法で昇降機の区分の仕方が異なっている。労働安全衛生法で「簡易リフト」と定義されるものが、建築基準法では「エレベーター」や「小荷物専用昇降機」となる。こういった区分の違いが、事業者の混乱につながっているのかもしれない。
     倉庫で使われる昇降機が使えないとなると仕事に支障が生じるため、違法であってもすぐに停止しづらいという事情もあるようだ。昇降機は外から見える設備ではないため、改修に多くの費用がかかるならと、そのまま使用してしまうケースも少なくない。
     倉庫を持つ大阪府内の事業者は、「年間約60万円の点検費用がかかっていたため、あまり使わなくなっていた人荷用エレベーターの使用を本格的に中止した」という。中小事業者は、少ない利益の中から点検費用を浮かせ人件費に充てるため、やむなく点検を怠ったまま使用を続けている可能性もある。
     国交省は2014年、過去に違法に設置して事故を起こした昇降機メーカーの業務用エレベーターなどを調べ、同年9月までの調査で2005台が建築基準法に違反していたと発表している。都道府県別に見ると、200件の大阪がトップで、173件の静岡県、157件の愛知県と続いている。各行政機関のHPにも、違法設置の疑いのあるエレベーターについての情報提供が広く呼びかけられている。
     全業種あわせると、労働災害で毎年約1000人が亡くなっており、そのうち1割近くを占めているのが運送業だ。「安全」を第一にうたうトラック運送事業者ならば、公道に出た際の安全だけではなく、会社内部での安全も気をつけたいものだ。「見過ごしていた」「知らなかった」では済まされない。

     
     
     
     
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