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物流ニュース
司法書士法人ABC 「負債相続」を支援
2016年5月30日
運送業界で子息に後を継がせるという創業者はよく見かけるが、事業の承継とは別に、避けては通れないのが相続問題だ。長引く経営環境の悪化で、現在、「負債相続」に関する専門家への相談が急増しているという。資産だけが相続の対象になると思っている人は意外と多いが、負債もまた相続されるのである。
「負債相続」支援を専門的に手がける司法書士法人ABC(椎葉基史代表、大阪市中央区)は4月1日から、小規模企業の経営者個人の相続リスク対策の窓口「社長の相続110番」を東京と大阪で新設する。
国税庁の「会社標本調査結果」によると、近年減少傾向にあるものの依然として全体の約7割が赤字企業となるなど、小規模企業の経営者には厳しい環境が続いている。また、中小企業のほとんどが借り入れ時に経営者保証を提供しており、会社とともに共倒れする経営者が急増しているという。
実際、相続放棄の件数は年々増加しており、同法人によると、平成元年は約4万3000件だったものが、同10年には約8万3000件、同25年は約17万3000件となり、同元年と比べると約4倍に膨れ上がっている。
椎葉氏は、借金などのマイナス財産の相続を指す「負債相続」を支援するため、2011年に「相続放棄相談センター」を開設。相続の現場に直面した際に、相続の仕組みを知らない人や、専門家の負債相続に対する知識不足で適切な選択ができず、「泣き寝入り」している人を「負債相続難民」と称し、現在までに相談1500件以上に対応している。
同氏は負債相続支援での多数の実績を踏まえ、相続発生後の対応だけでなく、事前相談の対応で負債相続問題で困窮する人を減少させる取り組みが必要だと判断。小規模企業の経営者が抱える、相続リスクについての相談を受け付ける窓口「社長の相続110番」を新たな事業として開始する。大阪本店内と東京支店内に専用窓口を開設し、主に同地域の経営者を対象とする。
「生命保険を活用するなど、社長個人の財産が奪われないように、リスク管理して財産を少しでも守るお手伝いをする」と同氏。悩みを抱える運送事業経営者に対して、「まずは事業回復に努めたり、M&Aなど生き残り策を目指すべき。同時に、万一のときのための対策を取っておいたほうがよい。もしものときに困らないための事前対策で、安心して経営を進めて欲しい」とアドバイス。「対策は早ければ早いほどいい効果が出ると思う。他人ごとと思わず、家族の顔を思い浮かべて、相談だけでもして欲しい」と話す。
◎関連リンク→ 司法書士法人ABCこの記事へのコメント
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